2009-03-11 長嶋有「戒名」 読書日記 「群像」3月号より。オタク、引き籠もり、老人介護……。さまざまな問題がこの作品の中で折り重なっている。が読んでいると、あちこちで落とし物をしているような感覚に襲われる。いや、落とした物を、落としたままにしたり、時折拾い上げたりすることで物語が進んでいる、というか。 話は単純。主人公の祖父母を、オタクで引き籠もりの弟が定職に就かずに介護している。祖母は生きているうちに墓を建ててしまい、自分の考えた戒名をそこに彫り込んだ。だが、その戒名は字数が不足していることがわかった……。