わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

石川淳『焼跡のイエス/善財』

マルスの歌」。時は戦中。銀座に住む若き主人公と親しくしている帯子という女性の姉、冬子がガス自殺をする。それを看取った亭主の三治のもとに、召集令状が届いてしまう。しかも、通夜の真っ最中に。その翌日、三治は帯子とともに姿を消してしまう……。
 作中には「マルスの歌」という歌が登場する。実際にある歌かどうかは知らない。あったとしても、どんな歌なのか。よくわからんが、文脈から察するに国民の士気を高める戦争賛歌なのだろう。本作、戦中は発禁処分をくらったらしい。

焼跡のイエス・善財 (講談社文芸文庫)

焼跡のイエス・善財 (講談社文芸文庫)

紫苑物語 (講談社文芸文庫)

紫苑物語 (講談社文芸文庫)

石川淳評論選―石川淳コレクション (ちくま文庫)

石川淳評論選―石川淳コレクション (ちくま文庫)