わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

古井由吉『やすらい花』

「やすみしほどを」。連歌はあっけらかーんとしていながらも、よくよく読めばみな絶望の淵ぎりぎりをなぞるような感覚。なにやら怪しい気分になってくるのだが、最後の4行を読んで、救われた気がした。引用。

 生まれては馨しくあれな暫しとも
  このひとときを雲となしはて
 見るままに空しきものか照る木の葉
  色なき山もやがて春風

やすらい花

やすらい花

古井由吉の作品はこちら。この作家を未読の人は、『やすらい花』から入っていく、というもアリだと思う。