わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

多和田葉子「雲をつかむ話」(1)

「群像」1月号掲載の新連載小説。最近の多和田作品は『ボルドーの義兄』しか読んでいないのだが(次に新しいところで『ゴッドハルト鉄道』。かなり古いか……)、本作はそれらには希薄だった明確な物語性がある。多和田さんらしい、ちょっとずれているけれど納得できる視点からの、丁寧なんだか投げやりなんだかわからない描写から紡ぎ出される、ある小説家と犯罪者の物語は、他愛もないようなのに、なぜか妙にドラマティックに読めてしまう。

群像 2011年 01月号 [雑誌]

群像 2011年 01月号 [雑誌]

ボルドーの義兄

ボルドーの義兄

ゴットハルト鉄道 (講談社文芸文庫)

ゴットハルト鉄道 (講談社文芸文庫)

多和田葉子の作品はこちら。