「群像」3月号掲載。この作家の作品ははじめて読む。Twitterでフォローしている永田王というハンドルネームの女性が絶賛していたので(彼女の文学センスには共感させられることがとても多くて、よく参考にしている)、読みはじめた次第。
いやあ、おもしろい。不倫沙汰でダンナと離婚した浪費癖が激しくほとんど職歴のない叔母の安アパートでの新生活を、就職できずに実家住まいでフリーター生活をしている主人公が支えはじめる。主人公は叔母に嫌悪感を感じつつも、荷物だらけの部屋からブランド品やらなにやら、不要物をヤフオクで売りさばきはじめる。
まだ少ししか読んでいないのだが、モノだの愛情だの見栄だのを求めつづけた叔母と、就職にすら貪欲になれなかった、求めることを知らない主人公との対比が、軽くてフツーだけど丁寧な文体で描かれていて、とてもおもしろい。
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