第三章は、なんだかよくわからんが胎児時代から乳幼児までが、あたかもすべての出来事を覚えているかのような書き方で描かれている。
つづいて第四章。「われわれの小説がどのようにして葬られたか、そしてちなみにそれが愚者裁判とどうかかわるかについての話」。葬式→小説。ここで言う「小説」ってのは、この作品自体のことらしい。作中人物が自分の生きる世界を「小説」と呼ぶ、ということは、自分がフィクションの存在だと認めているということで、ということはここまで書かれたことはすべて作中人物にとっては事実であるが読者にとってはフィクション、ということだと思っていたが、作中人物にとってもフィクション、ということになるとすれば……この章は、作品そのものを否定しようとしているのだろうか。
- 作者: ゲルハルトケップフ,Gerhard Kopf,園田みどり
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 1993/07
- メディア: 単行本
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