「菫色の空に」。百貨店での体験がきっかけで、失われたシャツへの執着とノイローゼのような状態は嘘のように消えてしまうのだが、ちょっとだけ自堕落な妹の姿が引き金となり、主人公は再びパラノイア状態へ。そして彼は、長い考察と内省の中で、肌着を盗んだのはその日ともにテニスを楽しんだ友人・五百沢のしわざであり、なぜ彼がそのような行為をしたのかまで、思い至る。
複雑で玄妙な心理世界を、緻密に、積み上げては壊し、壊してはまた積み上げ、を繰り返しながら、確実に描いている。すごいなあ…。
- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 1974/03/10
- メディア: 文庫
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- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1970
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古井由吉作品〈1〉 (1982年)木曜日に 先導獣の話 円陣を組む女たち 不眠の祭り 菫色の空に 雪の下の蟹 子供たちの道 男たちの円居
- 作者: 古井由吉
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1982/09
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