「群像」2018年12月号掲載。主人公へ定期的に送られてくる、小説家志望だった同僚からの「駄目な飛行機コレクション」の文章、そして未発表の「塔」の小説。交際中の高給取りのキャリアウーマンは心に闇を抱え、そして主人公は彼らに軽く翻弄されながら、会社のサーバーを使ってビットコンを採掘し続ける。しかし、採掘量は減り続けている。
連鎖する不幸と失敗。だが、これが当然の状態なのだ。そして、飛躍はこの連鎖を断ち切った時に初めて現れる。それは技術革新であったり、新たな思想やビジネスモデルの誕生であったりもする。