久々に完全オフだったので行ってみた。デュマはオランダ人の写真家で、現代における動物と人の関係性をテーマにした作品を撮りつづけている。2014年からは日本の在来馬を撮影しているそうだ。
作品はいずれも動物を溺愛しているような感覚が一切なく、単体の馬、あるいは馬たちの群れと人の、どんなに近づいても埋められない「距離」のようなものが通底音的に響いてくるのだが、時折、それが一気に縮まる。その通底音と一瞬をどう受けとめるべきか、そこに動物と人の共生のヒントが隠れているように思えた。
もうひとつ。デュマの作品には常に「死」の気配が漂う。だが時折、やはり先に述べた「距離」のように、一気に生が躍動し幸福感に満ちる瞬間がある。安易な生命賛歌ではない美しさを感じた。
11月29日まで。
https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/200827/