わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

大澤真幸「〈世界史〉の哲学 近世篇15 宗教と世俗化のERP相関」

「群像」2015年2月号掲載。
 近代化とは啓蒙や合理化によって社会が世俗化し宗教の機能が限定化されること、と冒頭に定義した上で、著者は西洋の近代化は、実は宗教の機能を限定してはおらず、むしろ世俗化と宗教化が同時に進行している、と指摘している。「ERP相関」とは量子力学用語で一種のパラドックス状態を指す(らしい)のだが、世俗化と宗教化の関係をこれに喩えている。そしてその根拠を展開しているのだが、なーんか、もうちょっと踏み込んでほしいなあ、というか、広げてほしいなあ、というか、そんな状態で今回の連載は誌面が尽きた模様。次号が楽しみ。

 余談だが、ピース又吉の純文学デビュー作を掲載した効果で「文學界」が4万部の増刷となったらしい。「群像」とか「すばる」とか「新潮」とか、文芸誌って普通は毎月1万部だもんな。読んでる人は、本気で作家になりたい人と文学オタクだもん。絶対に読者層が広がらない雑誌だもん。新人賞の募集すると、発行部数より応募部数が上回っちゃうんだもん。やっぱりタレント作家ってスゴイなあ。ま、それだけ期待されていたということだろうけれど。ぼくも買おうかと思ったけれど、やめちゃったんだよね。あとで古本が出回るだろうから、そのタイミングで買おうかな。

 

群像 2015年 02月号 [雑誌]

群像 2015年 02月号 [雑誌]

 

 

文學界 2015年 2月号 (文学界)

文學界 2015年 2月号 (文学界)

 

 

 

<世界史>の哲学 東洋篇

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<世界史>の哲学 古代篇

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<世界史>の哲学 中世篇

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