「群像」2015年2月号掲載。
近代化とは啓蒙や合理化によって社会が世俗化し宗教の機能が限定化されること、と冒頭に定義した上で、著者は西洋の近代化は、実は宗教の機能を限定してはおらず、むしろ世俗化と宗教化が同時に進行している、と指摘している。「ERP相関」とは量子力学用語で一種のパラドックス状態を指す(らしい)のだが、世俗化と宗教化の関係をこれに喩えている。そしてその根拠を展開しているのだが、なーんか、もうちょっと踏み込んでほしいなあ、というか、広げてほしいなあ、というか、そんな状態で今回の連載は誌面が尽きた模様。次号が楽しみ。
余談だが、ピース又吉の純文学デビュー作を掲載した効果で「文學界」が4万部の増刷となったらしい。「群像」とか「すばる」とか「新潮」とか、文芸誌って普通は毎月1万部だもんな。読んでる人は、本気で作家になりたい人と文学オタクだもん。絶対に読者層が広がらない雑誌だもん。新人賞の募集すると、発行部数より応募部数が上回っちゃうんだもん。やっぱりタレント作家ってスゴイなあ。ま、それだけ期待されていたということだろうけれど。ぼくも買おうかと思ったけれど、やめちゃったんだよね。あとで古本が出回るだろうから、そのタイミングで買おうかな。