六時、花子にしつこく鳴かれしぶしぶ目を覚ます。起き上がり、ひとまずトイレで小便する。戻ると花子がどこにもいない。アトリエの奥にひそんでしまったらしい。とりあえず起きて、そしたら交替でわたしが寝るから。そう言われたような気がしてならない。なぜ交替するんだ? 起きて、何をしていたというのだ? ぼくの眠りを見守っていた? 不審者の侵入からわが家を守っていた? 釈然としなかったので、二度寝した。
ジョギング。2km。雲だらけの空だが、東のほうが朝日に染まり、シャンパンゴールドに輝いている。夕陽より淡く、月夜より朧。だが、たしかに朝日だ。
朝から某金融会社のDMに取り掛かる。DMは難しい。開けさせる工夫というヤツに、通常のコピーライティングのレトリックはまるで通用しないからだ。作業しながら、昨日借りてきたKeith Jarrett、Miles Davis、それからDavid Sylvianのインストゥルメンタルものを聴く。もっとも、BGMだ。小さな音で、鳴らしているだけ。
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Alchemy: An Index of Possibilities
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図書館でCDを返却してから帰宅。今日は何も借りなかった。
帰る道すがら、猫を何匹も見かけた。庭の垣根からのそりと出てきたり、逆にゴソゴソと潜り込んだり、クルマのボンネットの上であくびをしたり。少しずつ闇が街を覆いはじめ、ふたたび香りを放ちはじめたキンモクセイの鮮やかな花びらだけが目に飛び込む。そんななかに、一匹、二匹と猫が現れる。黄昏時は猫が目覚める時間らしい。見かけた猫のほとんどが、首輪をしている。こいつらはみんな、本当は室内飼いなのだがこっそり抜け出してきたのでは、と想像してみる。すると、夕闇に蠢く猫たちが、みんなチョイ不良オヤジに見えてくる。
夜は「愛のエプロン」の特番を観る。鮭児から、そして杉本彩のあでやかさから目が離せなくなってしまった。いや、別に彩ネエのファンではないんですけどね。