わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

小島信夫『残光』

 小島の遺作。迷走する記憶、迷走する筋書き、迷走する文学論。破綻しているようだが妙に惹かれてしまうのは、おそらくは音楽の世界の「インプロビゼーション」とおなじような魅力を感じるからだろう。もっとも、ジャズのインプロは予定調和的なものがあるが、小島の作品は予測不可能な混乱がある。