七時半、自然に目覚めた。気づけばラッパをつけた花子がべったりと体を寄せ、喉をゴロゴロゴロと鳴らしている。声をかけ、体をすこし撫でてやると胸の上に移動し、そこで喉を鳴らしたまま、まったりとくつろぎはじめた。コンタクトを入れていないド近眼の目にも、花子のうっとりした表情はよくわかる。胸に乗られると苦しいのだが、花子めおそらくはラッパをつけたことで自分が体調不良を起こしていることを自覚し、心細くなっているのだろう。心細いときは、誰かを頼りにしたくなる。それはニンゲンでもドウブツでもおなじことだ。見ず知らずのオッサンに頼られたら困ってしまうが、今ぼくを頼っているのはほかならぬ愛猫。呼吸しにくくても、しばし堪えた。
麦次郎が騒いでいる。花子に異変が起きていることに気づいているのか。大丈夫、ラッパを付けているだけだから。
雨。朝は静かに降り、空気に紛れるように雨滴が見えなくなってすぐに止んだ。午後からは篠つく雨。
録りためておいたビデオを観たり、本を読んだりして過ごした。
夕食はオージービーフをステーキにした。バルサミコわさび醤油ソース。