わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

台風とハクション

 六時三十分起床。お天道さまを拝めぬ日がつづくためか、はたまた近づく台風の影響か、今朝はこの季節に似合わず案外冷え込んだ。梅雨冷えというコトバもあるが、あれは日中の、しとしとと降りつづける中に傘など差して立ちすくむとき、ふと感じる雨水の冷えた感覚を指すのではないかと思い込んでいたが、今朝の空気の冷ややかさこそが梅雨冷えなのだろう。今日の冷え込みが身体の芯まで冷やしたのか、わずかに喉の痛みを感じる。やれやれ、と思いながら蹴飛ばされ布団の上でよじれているタオルケットをかけ直し、花子はどこだ、と意識を向ける。布団の足下のあたりに置いた猫ケージの屋根の上にいる。声をかけたら、咳き込んだ。ぼくが、ではない。花子が、である。ゲフゲフゲフ、と小柄な猫にしては野太い、苦しそうな音。しかし本人もとい本猫はいたって元気で、咳き込んだあとに、いつものように口を閉じたまま、フゥーン、と鼻の先から声をもらし、ケージから飛び降りてこちらに擦り寄ってくる。よくみると、ひっかき防止のためにここ二ヶ月つけっぱなしだったエリザベスカラーに、大量の唾液がついている。
 掃除を済ませ、仕事。某IT企業リーフレット。構成は連休前に固めておいたから、あとはコトバにするだけだ。
 雨風が強くならないうちに、と思い、午前中のうちに夕食の買い出し。
 午後も仕事。花子はあいかわらず、ときどきではあるが咳こんでいる。ゲフゲフゲフだけでなく、ハックションも混じる。ハックションというよりは、プシ、に近い。プシ、プシ、プシ。
 十七時ごろ、なんとか書き上げた。花子、明日は病院に連れて行こう。麦次郎はここのところノートラブル、快調そのものだ。花子ばかり、ほんのわずかなのだが調子が狂っている。恒常的な元気さに、ほんのわずかに不調がまぎれる。ニンゲンは、健康ブームの波にのって、そのほんのわずかの不調を徹底的に叩きのめし再起不能にしようとする。ところが猫にとっては健康ブームなどどうでもいいこと。自らの自然治癒力しか信じていないのだから、納豆が身体にいいだのココアを毎朝飲めだの、そんなことはどうでもいい。ドウブツとして、肉体をもった生命としてこの生き方は、いちばんストレートで正しいのだと思う。しかし、それだけではまともに生きていけない時代であることは確かだ。ニンゲンがつくった添加物だの、アレルギーだのといった、奇妙キテレツな敵は猫にとっても案外多い。そこから守ってやることは、飼い主の義務だ。
 夜はキーマカレーに茄子を入れて食べた。カルダモンシード、フェンネルシード、コリアンダーパウダーを効かせて夏っぽいさわやかさを出してみた。