わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

海猫沢めろん「ピッグノーズDT」

「群像」2月号掲載。等身大なのにぶっ飛んだ内容の小説を書かせたら、舞城か海猫沢か、ってなくらいぼくはこの作家を高く評価している。
 中卒の童貞豚鼻ホスト(十六歳)がはじめて付き合った相手は、性同一性障害の元男性だった。彼女を理解し愛するために、豚鼻は新宿二丁目のハッテンバというのだろうか、同性愛者が集う銭湯で……。
 愛するというのはどういうことなのか、そもそも愛とはどのように生まれ、維持され、高まるのか、という文学的命題に、とんでもない変化球で挑んでいる。が、文体と設定がとんでもないだけであって、書かれていることはさほどぶっとんでいない。とても文学らしい作品、あるいは小説らしい作品だと思う。

零式 (ハヤカワ文庫JA)

零式 (ハヤカワ文庫JA)

嫌オタク流

嫌オタク流

hon-nin vol.05

hon-nin vol.05