わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

山城むつみ「『ひかりごけ』ノート」読了

 戦後、(少なくとも自意識の中においては)滅亡したはずの日本(日本国になってしまった日本帝国)に生きるということ。そして、自身のアイデンティティ形成に重要な役割を果たしていたはずの、生きる場所であった「上海」という土地の(事実上の)滅亡。そこから生まれる分裂によって書かれる、分裂の文学…。なるほど、たしかに泰淳先生の作品は分裂的。『ひかりごけ』はその典型。

群像 2010年 1月号 [雑誌]

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蝮のすえ・「愛」のかたち (講談社文芸文庫)

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文学のプログラム (講談社文芸文庫)

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転形期と思考

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