主人公のフサは、故郷の古座を離れ、新宮の材木屋・佐倉の家で奉公をはじめる。荒くれた男たちや不景気のまっただ中にあるというのに強気な商売をつづける佐倉の鼻息の荒さにフサは気圧され、漠然と故郷を恋しく思う。新宮に向かう道(といっても船で行ったのだが)では期待と不安が半々だったのが、新宮につくとたちまち不安でいっぱいになる。その、少女の心理描写が海などの情景を通じて巧みに描かれている。
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