五時四十五分起床。布団をびっしりとかぶって寝たのが効いたか、微熱っぽいのはすっぽりと抜け、胸の中をヤスリで薄く薄く削られたような息苦しさもなくなり、もう風邪はだいじょぶそーじゃん、と寝床では思っていたのだが、起き上がってみるとたちまち不調を感じ、ううう、と気管支を絞るような声でうめいてしまった。もっとも、気管支炎がひどくなっているわけではない。背中が痛んだのだ。首を寝違えるというのはよくあるが、ぼくの場合は肩胛骨の横あたりだの下あたりだのを違えることが多い。捻挫とおなじで、一度クセになるとなかなか治らないのだそうだ。
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背をかばいながら仕事を進めていると、花子の様子がおかしい。廊下書斎アトリエと腰を落ち着かせることなくうろつきまわり、あおん、あおん、うにゃーん、と鳴き散らす。そういえば、今朝の花子専用猫トイレ、いつもより小さめのオシッコ跡が三つもあった。もしや、と思いトイレを改めて確認すれば、小さいシッコがさらに二つ出てきた。膀胱炎らしい。不満を漏らすような声を立てつつあちこちうろつけるのだから重症ではないだろうが、少々心配なので仕事をさっさと切り上げ、夕方にかかりつけの「グラース動物病院」に連れて行った。診断によると結石などが原因ではないという。細菌性だと思うが膀胱に尿が溜まっていないので尿検査できない、とりあえず抗生物質の投薬で一週間ほど様子を見て、後日あらためて検査することになった。
帰宅後、花子めブリブリと怒っていたが、おしっこはなかなかしない。二十二時ごろ、ようやくしたかと思ったら、正常時よりちょっと少ない程度の量。どういうことだ。治りかけているのか。薬は好物のサーモンの刺身にまぶして与えてみたが、食べてくれなかった。さて、明日からどうやって投薬しよう。
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