第九章「晩年の仕事(レイト・ワーク)」。「水死小説」を書くことができず、そして息子・アカリとの関係も壊れて(壊して)しまった古義人の、故郷の「森の家」でのグダグダした日常が、アカリという外部を軸に語られている。
- 作者: 大江健三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/12/15
- メディア: ハードカバー
- 購入: 3人 クリック: 79回
- この商品を含むブログ (79件) を見る
大江健三郎の作品はこちら。一般的な評価が高いしぼくも最高傑作だと思うのは『万延元年のフットボール』だが、ぼくが個人的に好きなのは『懐かしい年への手紙』と『M/Tと森のフシギの物語』。特に前者のラストシーンは、日本文学史上最も美しいと思っている。