「新潮」十月号掲載。著者は元パキスタンの公務員で、パキスタン/イラン/アフガンの国境地帯に勤務したこともあるらしい。本作の舞台はこのエリア。いつの時代なのかはわからないが、第一次大戦後であることはたしからしい。不貞を犯した女が男とともに砂漠を逃げ、軍隊の基地の一角を借りて生活をはじめるが、結局は部族の者たちに追われ、女も男も命を失う…。
文化や思想がまるで異なる国が舞台だから、何もかもが新鮮。感情を排した、まさに砂漠のような文体が、妙に心に突き刺さる。必読。
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/09/07
- メディア: 雑誌
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