「文章教室1」。動物園を刑務所に見立てている。これだけなら誰もが思いつくことだが、ここに「短歌」というエッセンスを加えてしまうのが源一郎流。刑務所に入っているということになっている動物たちが、自身の嘆き、叫び、悲しみ、迷いといった感情と自らの境遇を、さまざまな三十一文字で詠んでいる。その内容は、次第に言葉の本質や生きることの意味、「わたし」という存在、社会の閉塞感…といった諸問題へと発展していく…のだが、基本的に短歌の解説という形式をとっているので掘り下げられることはなく、ただひたすらに風呂敷ばかりが広がっていく。これはこれでおもしろい。
