「群像」2015年8月号掲載。長野まゆみの新作『冥途あり』の発売記念対談。長野まゆみの言語感覚は特殊なものがあって、初期はちょっとしたあざとさすら感じられたのだが、『冥途あり』はその特殊な言語感覚がいい感じに和らぎ、小説として地に脚がついた感じがしてすごく読みやすかったのだが、そこから吉増剛造が、そっと綴られた詩情あふれる表現を、詩人らしい感性で着目し、原文以上の詩情を引き出すような評論を展開している。いやあ、おもしろいわあ。
余談だが、「まゆみ」っていう名前は好き。あと、「あきこ」ってのも好き。ちょっと昭和っぽい、スタンダードな名前に惹かれるんだよなあ。だからって、その名前の人に恋するってことはないけどね。