わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

中上健次「岬」

 文春文庫版の同タイトル単行本から表題作だけを一気に。読み返すの、何回目だろう。コピーライターをしているのだが(仕事は地味)、書く者として混乱したときなどに読み返す作家が何人かいる。中上はその一人。文章のテンションが下がっているときに読むとたちまち気合いが充実してくる。もっとも、その気合いはあまりブログには活かされていないが。
 「岬」「枯木灘」「千年の愉楽」は戦後小説の到達点だと思っている。一般的な評価はさほどではないようだが、「奇蹟」も非常に気に入っている。
 よく読み返す小説/散文は、中上「岬」、漱石坊っちゃん」、金子光晴「マレー蘭印紀行」「どくろ杯」、武田泰淳「富士」「目まいのする散歩」、古井由吉近作全般。まあ、読み返すと言っても部分的に、が多いのだが。昔は安吾をよく読んだが、今はほとんど開かない。

岬 (文春文庫 な 4-1)

岬 (文春文庫 な 4-1)