3章目。時代について。連綿と続く現在を過去と呼び、その過去を大きな流れごとに分類することで時代という概念が生まれるのだろうけれど、この時代感覚は後付け的に編集された性質のもので、現代を生きる者が現代を「時代」と表現するということは、あらゆることをひっくるめていっしょくたにしているだけであって、それはいわば理念や観念を放棄することにつながる。言い換えれば、なんかたいへんなことが世の中で起きてるなー、そういう時代だからねー、そういう短絡的な考え方や会話に思想はない、ということ。なのかな。ホントによくわからん。が、わからないなりに、気になった箇所をいくつか引用。
近代が崩壊して再び我々のものになったのが人間の観念であり、そして又時間の観念だったと考えるべき根拠は充分にある。それは完璧を目指すよりも人間であることを見失わない方が人間であることにとって重要であることを近代を通ってきたものが身に染みて、又精神を賭して知ったからであり、その人間の観念を取り戻せば時間の観念も人間であることに伴って再び身に付けざるを得なくなる。
(前略)時間は凡てのものをなすその基本の要素、或は条件であるから或るものが実際にある時にある時にそこに時間もある。従ってそれはどういう出来事の場合でもこれをありのままに受け取る時に我々は現在にいる。
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