わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

気づいてみれば、梅雨

 五時三十分、自然に目が覚めてしまう。花子はぼくの枕元で逆ヘの字になって伸びをしたかと思えば、次の瞬間にはすっと滑らかに丸まり、ぷう、と息漏れなのか鳴き声なのかわからぬ音を出し、腹を出したあおむけぎみの姿勢で、ぼくが何かしてくれるのを待っている。二、三度腹を撫で、そのまま二度寝(正確には四度寝)した。五時五十五分、きちんと起床。
 雨は降っていないようだ。古新聞やペットボトルを集積所に出す。
 仕事。ファッション系の案件。四十代以上の女性向けなのだが、キャッチフレーズがどうしても思い浮かばない。資料を見てはキーワードをメモし、カミサンよりちょっと上の世代をイメージしてはキーワードをまたメモし、を何度も何度も繰り返すうちに、彼女たちの気持ちにも、クライアントの気持ちにも、なれるのではないかと期待していたのだが、クライアントはともかく、女性たちの気持にはとても追いつかず、それどころか、いいと思ってキャッチフレーズの中核として使いはじめたキーワードが、実はクライアントの業界では絶対にタブーになっている言葉であることに二時間くらい経ってからようやく気づき、ああ、これはアカン、とそれまで書いていたコピーをすべてチャラにした。
 散歩兼買い物、昼食を挟んで仕事再開。なんとか先が見えはじめ、ぽつりぽつりとだが、午前中よりはマシな言葉をはき出せるようになり、粘りつづけたら、ひとまずコピーらしい形にはなった。もう少し粘り、しっかりかっちり仕上げた。だが、納得いっていない。何かが足らないような気がしているのだが、それはおそらく言葉が足らぬということではなく、すんなりと仕事を進めることができなかった自分に、四十代以上の女性になる素養素質、そして平素彼女たちをしっかり観察し理解しようとする姿勢、そんなものたちが足りなかったということだと思う。
 そうこうしているうちに、梅雨入りしたようだ。
 十九時三十分、今日やれるところまですべて終わったので業務終了。本日二度目の掃除機掛けをした。
 夜はのんびり過ごした。