わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

葛西善蔵『子をつれて』読了

 移動中に電車の中で読んだ。主人公の置かれている状況、数年前の派遣切り騒動を思い出す。100年近く前の作品だというのに。もっとも、この作品の主人公は労働者ではなく文士かぶれなのだけれど。途方に暮れたまま主人公もその子どもたちも、そして読者をも突っ放すような終わり方、当時としてはかなりアバンギャルドだったのではないだろうか。
 ダメだなあ、と思いつつも、泣ける。傑作。

子をつれて (岩波文庫 緑 56-1)

子をつれて (岩波文庫 緑 56-1)

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