移動中に電車の中で読んだ。主人公の置かれている状況、数年前の派遣切り騒動を思い出す。100年近く前の作品だというのに。もっとも、この作品の主人公は労働者ではなく文士かぶれなのだけれど。途方に暮れたまま主人公もその子どもたちも、そして読者をも突っ放すような終わり方、当時としてはかなりアバンギャルドだったのではないだろうか。
ダメだなあ、と思いつつも、泣ける。傑作。
- 作者: 葛西善蔵
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1952/10/05
- メディア: 文庫
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