梅雨冷えの夜。何度も目が覚めてしまい、これはアカン、とタオルケット一枚で寝るのを諦め、少しだけ綿の入った薄い布団を引っ張り出した。だが繰り返し起きていた理由はそれだけではない。小便だ。寝る前に水分を取り過ぎた。明け方はトイレに入っている夢を見て飛び起き、慌てて股間を確認した。放尿するリアルな感覚が確かにあったのだが、寝小便はしていなかった。
五時四十分起床。
仕事。某案件のコピーを仕上げ、別の案件の企画をまとめ、午後はさらに別の案件のコピーを進め、夕方はさらにさらに別の案件の企画に着手した。妙に目まぐるしいというのに、クライアントからの連絡は、どういうわけか、ほとんどない。珍しい一日だった。
読書は保坂和志「鉄の胡蝶は夢に歳月に記憶に掘るか」(24)(「群像」2020年7月号掲載)。新型コロナウイルスにより生活が変わり始めた三月頃が舞台になっている。常識の変化、評価と炎上、叩き、そして戦争。「次に戦争があったら絶対に負けない」という恐ろしい共同幻想。