わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

「群像」2020年7月号まとめて(保坂和志、小田原のどか、樫村晴香)

 

群像 2020年 07 月号 [雑誌]

群像 2020年 07 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/06/05
  • メディア: 雑誌
 

 

保坂和志「鉄の胡蝶は夢に記憶に歳月に掘るか(23)」。今回は新型コロナにまつわるエピソード、かと思いきや、最後のあたりでいきなり、まったく別の物語がはじまった。これ、次回につづくのだろうか。

ハレルヤ

ハレルヤ

 
読書実録

読書実録

  • 作者:保坂和志
  • 発売日: 2019/09/26
  • メディア: 単行本
 
チャーちゃん (福音館の単行本)

チャーちゃん (福音館の単行本)

  • 作者:保坂 和志
  • 発売日: 2015/10/15
  • メディア: ペーパーバック
 

 

小田原のどか「彫刻の問題 加藤典洋吉本隆明高村光太郎から回路をひらく」。著者は彫刻家で、評論も手掛けている方。これを読むまで存じ上げなかった。吉本や高村の転向については認識していたし、加藤典洋は尊敬する評論家だったということもあって読んでみたのだが……絵画のように、彫刻もまた都合のいいように政治利用されているという現状については、恥ずかしながら認識していなかった。長崎の平和記念公園の巨大な男性の彫刻はどちらかというと平和祈願というより権威主義っぽい感じだなー、とは思っていたのだけれど、そうなってしまう背景があるということ。現代において、芸術は「祈り」という役割も担っていると思うのだが、残念ながら純然たる祈りをピュアに感じることのできる作品は、とても少ないのかもしれない。

 

 

樫村晴香「自分が死ぬとはどういうことか?——の変遷」。いやー、難解。パートごとには理解できるのだけれど、その理解と理解がつながりあって全体として像を結ぶような感覚が、まったく得られない。ううう。もう一度通読すれば、多少は理解できるかな。