わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

熊野純彦『西洋哲学史 古代から中世へ』

 過去に哲学関連の入門書は何冊か読んでいるけれど、歴史的視点から体系化されているものは読んだことがなかった。昨日の、竹田青嗣セミナーを見て、自分には哲学史、思想史の知識が体系化されていないことを痛感。というわけで、買ったままだったこの本を読みはじめてみた。今の自分には最適な方針で書かれた本だと思う。「まえがき」をちょっとだけ引用。

 

古代・中世の哲学は、ただ過ぎ去って、今は歴史的な関心しか呼び起こすことのない思想というわけではありません。それは現在でも哲学の現場にしばしば呼びもどされて、その探究をみちびく、なおも生きつづけている思考の運動です。本文では、その間の消息についても、できるかぎりあきらかにしてきたいと思っています。

 

「第1章 哲学の始原へ いっさいのものは神々に充ちている(タレスアナクシマンドロスアナクシメネス)」。世界への問い(いつ生まれ、どのように生成し、現代にいたっているのか。世界を世界としてなりたたせている原理とは。自然と世界は、どこから到来し、どこへとたちさろうとしているのか)、そして人間存在への問いの発生。哲学の始原。

 

「第2章 ハルモニアへ 世界には音階が在り、対立するものの調和が支配している(ピタゴラスとその学派、ヘラクレイトス、クセノファネス)」。西洋哲学のロゴス中心主義の誕生? とは書いていなかったが。

 

西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)

西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)

  • 作者:熊野 純彦
  • 発売日: 2006/04/20
  • メディア: 新書
 
西洋哲学史―近代から現代へ (岩波新書)

西洋哲学史―近代から現代へ (岩波新書)

  • 作者:熊野 純彦
  • 発売日: 2006/09/20
  • メディア: 新書