「群像」2020年4月号掲載の新連載評論。大江の神話的でありながら知的な裏付けのある「谷間」の世界観は、確かに柳田の影響を受けているのかもしれない。『万延元年』やぼくの好きな『懐かしい年への手紙』のギー兄さん、『燃え上がる緑の木』の新しいギー兄…
五時四十分起床。部屋の中がぬるい。春の訪れなのか、単に湿度が高いだけなのか。マンションの裏手を流れる善福寺川からはカルガモの騒ぎ声が聞こえる。気分が上がるような空ではなかった。もっとも、晴れたからといってカルガモの機嫌がよくなるかどうかは…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。