「新潮」2015年12月号掲載。『一一一一一』『星座から見た地球』など、実験的な意欲作の多い作家。実験性だけで考えれば、80年代の高橋源一郎以上じゃないかな。
書くと死ぬ病気になってしまった元ライターの男のもとに、とある編集者から執筆依頼が舞い込むのだが…。この男から、編集者への手紙というかたちで作品世界は展開してゆく。
意図的な誤字、そしてわざと下ネタに誤解させようとする卑猥的ダブルミーニング描写。まだ読了していないから、これらがどんな意図のもとで行われているのかがよくわからない。けど、今のところおもしろいです。
それにしても。先月の筒井康隆「モナドの領域」といい本作といい、古井さんの私小説的連作といい、最近の「新潮」は ぶっとんでるよなあ。