五時十五分起床。葵はすでに起きてゴハンを食べ、東側の窓辺に置いた低めの猫タワーの天辺にちんまりと陣取り、じっと外を見つめている。耳を澄ませているようにも見える。ちょっかいを出したら指を噛まれた。
仕事。とある家電系案件が少し迷路に入りかけたので、慌てて軌道修正。
十一時、銀行へ。月末の事務処理。外は少し肌寒いが上着が必要なほどではなく、早足で歩けば体が暖まり、軽く汗ばんだ。
戻ってからは別の案件。考えて書く、という当たり前の流れで作業するわけだが、この案件は考えると書くがうまく連動していかない状態がつづいている。それでも手を動かしはじめると、ずいぶんと先が見えるようになった。
石沢麻依「月の三相」(「群像」2022年5月号掲載)。面作家の、面への執着のすさまじさ。