わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

保坂和志「鉄の胡蝶は夢に記憶は歳月は彫るか(50)」

 「群像」2022年10月号掲載。相変わらずの、反骨と少数派のオンパレード。それが迷走していくのだから、ホントにすさまじい小説だ。迷走は、脱物語化のための装置なんだろうなあ……といったことを書くと、きっと保坂さん本人に怒られるし、「違う」といわれる。「脱物語化の装置ではない」というのではなく、小説をこのように分析するという思考自体が間違っている、といわれそう。……そうそう、否定も多いんだよね、この連載。