「群像」2022年10月号掲載。大岡の『俘虜記』を中心に。『俘虜記』は大学生の頃に読んだが、とっ散らかった印象でよくわからなかった。テーマが明確でストーリーもわかりやすい『野火』のほうが夢中になれたのだが、今読むと、包括的かつ多面的、そしてリアルな視点で捕虜の日常や終戦を迎えた時の様子を描いた『俘虜記』のほうがおもしろく感じるかもしれない。
「群像」2022年10月号掲載。大岡の『俘虜記』を中心に。『俘虜記』は大学生の頃に読んだが、とっ散らかった印象でよくわからなかった。テーマが明確でストーリーもわかりやすい『野火』のほうが夢中になれたのだが、今読むと、包括的かつ多面的、そしてリアルな視点で捕虜の日常や終戦を迎えた時の様子を描いた『俘虜記』のほうがおもしろく感じるかもしれない。