五時二十五分、尿意で起床。寝癖ができていることに気づく。ひさしぶりだ。
仕事。進行中の某案件のビジュアル担当チームは、今日は遠方へロケに出かけている。ぼくはライティング担当だから同行せずに作業。ほか、別件もいくつか進める。
桜の花が散りはじめているようだ。道路の縁石のそばに花びらが積もっている。樹上で咲いている時は淡いピンク色だが、路上で幾枚も積み重なると、しっかりとした濃い色に変わる。梢で咲いている時がもっとも生命力に溢れているはずなのに色は淡く、寿命を迎えたかのように散ってからのほうが色は濃く力強くなるのは不思議だ。しかし、だからといって地面に散らばる花びらに生命力そのものが溢れているように見えるわけではない。
読書は奥泉光『雪の階』を少し。捻くれたギャグの感覚と昭和初期的な硬質の文体が入り混じり、不思議な世界観になっている。