「群像」2020年1月号掲載。副題は「「Anno Domini(主の年)」から「A.D./B.C.」へ」。十八世紀後半からのネーション(国民)という概念の誕生。新しい概念であり、ナショナリスト自身も新しい存在であることを強く自覚し主張しているにも関わらず、彼らは自分たちのルーツを歴史をさかのぼった過去に求める。歴史という概念が時間だけでなく、「数(数学)」という概念と密接に関係しているというのは、当たり前すぎてちょっと考えが至らなかったなあ。「世界標準時」という概念も当たり前に存在しすぎていて、その誕生について考えてみたことはなかった。そして、ここでも「資本主義」のメカニズムとの関連性が浮かび上がってくる。しかし資本を循環させるメカニズムと歴史が構築されるメカニズムの根源が同じでも、ネーションが新しさと古さを共存させてしまう理由には、直接結びつかない。…というところで今月の内容は終わってしまい、つづきは来月が休載なので三月号に持ち越しになってしまった。ううう。