わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

大澤真幸「〈世界史〉の哲学(122) 近代篇37」

「群像」2020年1月号掲載。副題は「「Anno Domini(主の年)」から「A.D./B.C.」へ」。十八世紀後半からのネーション(国民)という概念の誕生。新しい概念であり、ナショナリスト自身も新しい存在であることを強く自覚し主張しているにも関わらず、彼らは自分たちのルーツを歴史をさかのぼった過去に求める。歴史という概念が時間だけでなく、「数(数学)」という概念と密接に関係しているというのは、当たり前すぎてちょっと考えが至らなかったなあ。「世界標準時」という概念も当たり前に存在しすぎていて、その誕生について考えてみたことはなかった。そして、ここでも「資本主義」のメカニズムとの関連性が浮かび上がってくる。しかし資本を循環させるメカニズムと歴史が構築されるメカニズムの根源が同じでも、ネーションが新しさと古さを共存させてしまう理由には、直接結びつかない。…というところで今月の内容は終わってしまい、つづきは来月が休載なので三月号に持ち越しになってしまった。ううう。

 

 

 

群像 2020年 01 月号 [雑誌]

群像 2020年 01 月号 [雑誌]

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/12/07
  • メディア: 雑誌
 

 

 

<世界史>の哲学 東洋篇

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〈世界史〉の哲学 近世篇

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<世界史>の哲学 中世篇

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