わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

鷲田清一「所有について」(1)

「群像」2020年3月号からの新連載。文芸誌から「文×論」の方向に大きくリニューアルしたこの雑誌の、ひとつの決意表明のような立場にある連載だと思う。

 シェアリングという新しい概念が登場して資本主義の形が少しずつ変わろうとしている一方で、貧富の差は拡大しつづけている。そんな時代背景の中でのこの連載だが、そういった形而下的なことではなく、英語・フランス語・ドイツ語・ラテン語などにおける「be」の意味、漢語の「有」という字が「ある」と「もつ」の二つの意味を持つこと、そして「存」と「在」という言葉の性質などをヒントに、存在論の延長として(対峙するものとしてではなく)、所有について考察を展開している…という理解でいいのだろうか。尊敬する哲学者のひとりである鷲田さんの新連載、理解しにくいところも多そうではあるが、しっかり読んで楽しみたい。

 

 

群像 2020年 03 月号 [雑誌]

群像 2020年 03 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/02/07
  • メディア: 雑誌
 

 

 

じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)

じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)

  • 作者:鷲田 清一
  • 発売日: 1996/07/19
  • メディア: 新書
 
大事なものは見えにくい (角川ソフィア文庫)

大事なものは見えにくい (角川ソフィア文庫)

  • 作者:鷲田 清一
  • 発売日: 2012/11/22
  • メディア: 文庫
 
想像のレッスン (ちくま文庫)

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