海辺にいるらしい。外ではない。海辺に建てられた施設だ。そこで妻とくつろいでいると、建物を覆い尽くすほどの大きな波が寄せてきた。その波と一緒に、海の中にいたありとあらゆる生きものが押し寄せてきた。右上のほうに、フグがいた。建物の中だから波も生きものもココまでは届くまい、と思ってみているのだが、なぜかそのフグだけは、窓や壁を突き抜けてこちらに迫ってきた。よく見ると、フグは列をなしている。数十匹が、まっすぐ一列になってこちらに迫ってくる。いや、一列ではない。左下のほうにもフグの列がある。なんなんだ、コイツらは。そう思ったところで目が覚めた。四時。
五時四十分起床。昨日よりは暑い朝。空には雲が多い。曇天の日のセミの鳴き声は機能性なのだろうが、微かにくぐもって聞こえる。
仕事。今日は連絡ラッシュということはなかったが、それでもやるべきことは多く、おまけに減らない。だが、減らないということには一切気持ちを向けず、ただひたすら、丁寧に手とアタマを動かした。
読書は保坂和志「鉄の胡蝶は記憶の夢の歳月は掘るか」(25)(「群像」2020年9月号掲載)。ポップスにおける歌詞の意味、そしてそれを超えたところで沸き起こる感情。