今朝も五時四十分起床。蔓延防止措置だのオリンピックは中止も考えなければ発言だのと、世間はふたたび緊迫した状況になっている。それを受けてなのか、それともぼくの仕事の毎年の流れでそうなっているのかはわからないが、例年の四月上旬から中旬のように、ここ数日は取引先からの連絡が減っている。四月は人事異動やら予算組みやらが忙しくなり、企画制作の実務に時間を割きにくくなるようで、少し時間に余裕ができる。それが、ゴールデンウィーク直前になると急に慌ただしくなる。今年はどうなるだろう。去年はただひたすらに、黙々と、いただいた案件に取り組み続けていた。
午前中は会計データの入力などの事務処理、そして郵便局。ついでに昼食用のパンを購入。ツツジの花がかなり開きはじめている。ヒナゲシやタンポポ、ハナニラも咲いている。菜の花も多く見かけた。歩道や塀と道路の境目のわずかな裂け目、あまり手入れのされていない一戸建ての庭などから生えている雑草たちが花開く季節。そのささやかな花たちの色彩が、意外に明るく、そして力強い。
午後は書斎にこもって某案件の作業。十六時半、Zoomで打ち合わせ。一時間半くらいかかるかと覚悟していたが、三十分で終わってしまった。
夜は少し走ろうかと思ったが、雨が降る可能性があるらしいのでやめておいた。
読書は藤代泉「姫沙羅」(「群像」2021年5月号掲載)。大切だったかどうかは、実はよくわからない存在を失った喪失感。後から大切さに気づくというのではない。わかっていて大切さから目を背けていたというのでもない。以前からつづいていた中途半端な感情の、中途半端な部分ばかりが、その死によって、やっかいな方向に増幅されてしまう。そんな、奇妙な状況が淡々と描かれている。