わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

切迫感を伴わない

 五時四十分起床。だらだらと降ったり止んだり。「だらだら」という言葉には怠惰さや、いやいやながら、という雰囲気がつきまとう。だが雨の表現に使うと、いやいやながらという意味合いは薄れ、むしろ、「じりじりと寄ってくる」「少しずついびる」のような、切迫感を伴わない嫌悪感が強くなる。梅雨とはそういう季節なのだろう。だがまもなく明けると思えば、そして先日まで苦しめられてきた西日本や現在まさに苦しんでいる東北のことを考えれば、だらだらな雨のなかにいる東京の自分たちは、相当に幸せなのだろう。

 仕事。大量のメール、大量のタスク。夏休み進行になりつつある、と感じていたのだが、よくよく考えるに、取引先からいただいた進行中案件のスケジュールの大半に、夏休みが記載されていない。ただ単純に忙しい状況らしい。

 散歩はできず。ううう。

 

▼これが届いた。いわゆる「エア縄跳び」。早速使ってみたが、なかなかいい感じ。1分・15秒インターバル・8セット、というのが適度に汗をかけて、トレーニングになる。

 

 

筒井康隆「ジャックポット」

 「新潮」2020年8月号掲載。

 第一章読了。危機的状況は笑い飛ばす。案外、そんな姿勢にこそ希望は宿る。ま、今回の危機では大声で笑っちゃいけないけどね。

 第二章はこのままコロナ禍が進んだらの世界。ちゃかし、いじり、悪ふざけ。筒井さんの真骨頂ですな。

 

 

新潮 2020年 08 月号

新潮 2020年 08 月号

  • 発売日: 2020/07/07
  • メディア: 雑誌
 

 

 

モナドの領域

モナドの領域

  • 作者:筒井 康隆
  • 発売日: 2015/12/03
  • メディア: 単行本
 

 

 

聖痕 (新潮文庫)

聖痕 (新潮文庫)

  • 作者:筒井 康隆
  • 発売日: 2015/11/28
  • メディア: 文庫
 

 

 

エディプスの恋人

エディプスの恋人

 

 

 

今日の事件簿

  • 右の親指にへんな痛み事件
  • 筆記具に迷う事件あるいは痛みの原因さがし事件
  • シェーバーで肌荒れた事件
  • マスクで汗びっちょり事件
  • こわいよー事件
  • 会議室にアクリルパーテーションがあった事件×2
  • ぶどうパンまりまり事件
  • ひさびさのKさんTさんRさん事件
  • 岩田華怜ちゃん感染したのねお大事に事件

 

www.horipro.co.jp

 

 

葵、三歳。

 六時起床。今日は愛猫・葵の三歳の誕生日。ぼくの誕生日とは一日違いだ。妻が、購入しておいた新しいおもちゃを下ろしてあげた。ま、いつも遊んでいるものだから、特に変わった様子は見せなかったのだが。昨夜、もうひとつの誕生日プレゼントに、と猫タワーを楽天で注文。こちらは次の週末に来る。

 掃除、買い出し。西荻窪のフレンチの老舗「こけし屋」でケーキ。「そーせーじ」でパン。コープで野菜など。

 午後は読書。熊野純彦『西洋哲学史 古代から中世へ』をダラダラと読んで過ごした。ソフィストソクラテスソクラテスの否定的弁証法。そして「無知の知」に対する誤解。これ、知らなかったなあ。

 

ソクラテスは「知らないと思っている」と語ったのであって、「知らないことを知っている」といったのではない。プラトンもまたそうつたえてはいない。
ソクラテスは知者ではない。あくまで「知を愛し、もとめるもの」(フィロ・ソフォス)。ソクラテスソフィストではない。だから、ソフォス(知者)でもない。フィロソフォス(哲学者)なのである。

  

西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)

西洋哲学史―古代から中世へ (岩波新書)

  • 作者:熊野 純彦
  • 発売日: 2006/04/20
  • メディア: 新書
 

 

 夕方、ケーキをいただく。懐かしくて安定した保守的な味。葵には、ケーキのまわりを包んでいたセロハンにくっついていたクリームをすこしなめさせてあげた。

 その後、ウォーキングへ。夕食用に、ます寿司、まぐろとネギトロの海苔巻き、オクラと山芋とわかめのサラダを購入。ぜんぶおいしかった。食べながら「日曜美術館」の再放送。西洋美術傑作選の三回目。マネ、ルノワールゴッホムンクピカソ。マネの「草上の昼食」、ぼくはこっそり「全裸遠足」と読んでいる。ルノワール、好きな絵なのだが、にぎやかなのに暗いのがいつも気になる。ゴッホの「ひまわり」は清志郎さんと棟方志功のコメント映像が流れていた。清志郎、純粋な感じだったなあ。棟方志功は…いつも偉大さと純朴さに圧倒されるのだが、一方で、あのキャラクターをぜひ中川家の礼二にマネしてもらいたいと思ってしまうのは不謹慎だろうか。ムンク「叫び」、実はあまり好きではない。描かれた人物を、ぼくはこっそり「ウンコ人間」と呼んでいる。そしてゲルニカ。説明不要。

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www.nhk.jp

 

 

 

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(26)

「群像」 2020年8月号掲載。

 今月分読了。場面は変わり、丕出子さんと野球好きな父親との会話。今度は謎めいたお客について語りあうのではなく、父親のモノの考え方や記憶を軸に、遠回りするように、そしてそのお客、すなわち阿見さんのことをササッとかすめながら、会話をつないでいく。笛田さん夫婦の会話のスタイル、というか流れ、と対比すると、いや、実際に対比したわけではないけれど、そんなことを少し意識しつつ読んでみたら、さらに面白さを感じた。

 

 

群像 2020年 08 月号 [雑誌]

群像 2020年 08 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/07/07
  • メディア: 雑誌
 

 

 

雪沼とその周辺 (新潮文庫)

雪沼とその周辺 (新潮文庫)

 
その姿の消し方 (新潮文庫)

その姿の消し方 (新潮文庫)

 
なずな (集英社文庫)

なずな (集英社文庫)

  • 作者:堀江 敏幸
  • 発売日: 2014/11/20
  • メディア: 文庫
 

 

ポール・オースター/柴田元幸訳『ガラスの街』

時間があるときにだけ少し、という断片的な読み方になっているが…。
探偵と間違えられて依頼を受けてしまった作家クインは、遂行中に尾行相手を見失い、依頼主とまったく連絡が取れなくなり、ただただニューヨークの街をさまよいつづける。そこで目にする数々の貧困層の描写がすさまじい。

 

 

ガラスの街 (新潮文庫)

ガラスの街 (新潮文庫)

 

 

 

インヴィジブル

インヴィジブル

 

 

 

 

筒井康隆「ジャックポット」

「新潮」2020年8月号掲載。
まだほんの少ししか読んでいないのだが……これ、筒井版『フィネガンズ・ウェイク』? 新型コロナウイルス、徹底した言葉遊び、そして風刺。

 

 

新潮 2020年 08 月号

新潮 2020年 08 月号

  • 発売日: 2020/07/07
  • メディア: 雑誌
 

 

 

パプリカ (新潮文庫)

パプリカ (新潮文庫)

 
残像に口紅を (中公文庫)

残像に口紅を (中公文庫)

  • 作者:筒井 康隆
  • 発売日: 1995/04/18
  • メディア: 文庫
 
虚航船団(新潮文庫)

虚航船団(新潮文庫)