わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

堀江敏幸

堀江敏幸「二月のつぎに七月が(44)」

「群像」2022年10月号掲載。常連客の漫才の掛け合いのような会話と大食いタレントのような食いっぷり。作者は、書いていてとても楽しいのだろうなあ。 父の形見の文庫本からわからない部分や気になる部分を書写するのを日課にしているもうひとりの常連客、阿…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が(43)」

「群像」2022年9月号掲載。地上げ屋みたいなエピソードから一転、いちば食堂の常連である阿見さんが、サラリーマン時代の先輩から、借用書の代筆と捺印をしてほしいというとんでもない依頼を受ける。 前半の地上げ屋パートで契約書やハンコのことが語られ、…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が(43)」

「群像」2022年9月号掲載。この作品も40回を超えたか…。 あけぼの市場の駐車場奥の土地絡みのもめ事。やっかいな状況を引き起こしている西戸という男の設定が絶妙。いわゆる反社の人なのだけれど、高校時代は野球部で名二塁手、そして彼が白線引きで引いたラ…

空腹すぎるのが原因か

五時四十分起床。逆流性食道炎の症状がひどく、まともに身支度できない。頓服薬を飲みしばらく(胃酸の逆流を防ぐために頭を高くして)ヨコになったがたいしてよくならず、ひょっとして空腹すぎるのが原因か、と思い至り、思い切ってグラノーラとヨーグルト…

曇天や雨天で鮮やかに映える

五時四十分起床。晴れているような、曇っているような、曖昧な空がいかにも梅雨時らしい。この不安定さがアジサイの花をより魅力的に見せてくれるのだろう、空模様によって美しさが変わるのはどの花も同じだが、特にアジサイは、曇天や雨天で鮮やかに映える…

河原のような、ぬかるんだ泥の中を

今朝も五時四十分起床。河原のような、ぬかるんだ泥の中を疾走している、しかも楽しく。そんな夢を見た。細かなところはさっぱり覚えていない。ただ、この河原はよく夢に出てくる場所で、街と直結していて、学校を大きく周回する道路にもつながっている。ぼ…

増えている時間が愛おしい

五時四十分起床。足に疲れが残っている感覚。なぜだろう。心当たりがない。雨のなか傘をさして早足で移動していたのが原因か。いや、それくらいのことはいつもやっている。もっとハードに動くことのほうが、むしろ多い。 仕事。スケジュールに余裕がなく難易…

気温や気候にかかわる記憶が

五時四十分起床。朝のうちは涼しいのだが、陽が昇るにつれて、天気予報の情報どおり、夏の暑さに近づいていった。秋分の日を過ぎ、さすがにエアコンの電源を入れる気にはなれないが、扇風機はほぼ回しっぱなし。去年もこんな調子だったか、と記憶をたどるが…

帰路で

五時四十分起床。彼岸が近いせいか、この時間ではまだ外は暗い。日の出の時間はiPhoneの天気アプリによると五時二十三分だが、建物が多い東京では日の出からたかだか二十分程度では陽は差さないということか。 仕事。某住設系案件。 午後は後楽園にて打ち合…

盛夏を過ぎて日中でも

今朝も五時四十分起床。 午前中は念入りに掃除、そしてアイロン掛け。やたらとスルスル動くパナソニックのコードレスをシャツの上で滑らせながら、東京MXの美術番組を見る。片桐仁がナビゲーター。琳派をやっていた。ぼくは抱一が好きだ。 s.mxtv.jp 酒井抱…

舞踏家みたいだ。

夜中にエアコンの電源を落としてから二度寝に入るのが習慣となった。大抵、渇きと尿意とで目が覚める。エアコンを止め、トイレで排泄し、手を清めてからコップ一杯を一気飲みし、また横になる。行動は覚えているが、その時に考えていたことなどまったく覚え…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(35)

「群像」2021年4月号掲載。 老いの実感、そして複雑にからみあう、自分にとって大切な人たちとの過去の記憶。思いを巡らすほど、今号の主役である阿見さんは現在の世界と壁一枚隔てて断絶しているような、それでいてしっかり接しあってもいるような、妙な感…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(34)

「群像」2021年2月号掲載。いつもの食堂の雰囲気とは少しだけ違う、そんな状況での、よく知った人、あるいはまったく知らない人、知っていたはずだけれど忘れていた人、そんな、いろんな人とのささやかなコミュニケーションが、地味だが生き生きと語られてい…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(32)

「群像」2020年11月号掲載。 タクシー運転手が話す、詐欺まがいの悪徳工事業者と盆栽愛好家の話。なぜか妙におもしろい。 群像 2020年 11 月号 [雑誌] 発売日: 2020/10/07 メディア: 雑誌 雪沼とその周辺 (新潮文庫) 作者:敏幸, 堀江 発売日: 2007/07/30 メ…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(31)

「群像」2020年10月号掲載。 継続することの難しさ。ボクサーの減量は試合の時だけを想定していて継続を想定していない……なるほど。 群像 2020年 10 月号 [雑誌] 発売日: 2020/09/07 メディア: 雑誌 雪沼とその周辺 (新潮文庫) 作者:敏幸, 堀江 発売日: 2007…

おそらく兄弟と思われている

五時三十分、目が覚めてしまう。そのまま起床。外は雨のようだ。身支度をはじめるとすぐ葵がやって来て、遊べとせがむ。乱れたパジャマのまま、しばらく追いかけっこをする。葵、妻とはネコジャラシで遊ぶなど猫らしいふるまいをするのだが、ぼくと遊ぶ時は…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(27)

「群像」2020年9月号掲載。 少しだけ読んだ。章が変わり、阿見さんの視点から丕出子さんの視点へと切り替わる。三人称多元描写で書かれているが、世界観がしっかり構築されており、視点となる主人公たちの性格描写や心理描写、そして過去の経験なども回を重…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(26)

「群像」 2020年8月号掲載。 今月分読了。場面は変わり、丕出子さんと野球好きな父親との会話。今度は謎めいたお客について語りあうのではなく、父親のモノの考え方や記憶を軸に、遠回りするように、そしてそのお客、すなわち阿見さんのことをササッとかすめ…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(26)

「群像」 2020年8月号掲載。食堂の料理人である笛田さんとその妻。会話の中に現れる、何者なのかわからないお客さん。毎回おなじカレーを食べ、コーヒーの回数券を利用し、食堂では古い文庫本を静かに読みふけるその様子は大学の教授のようだ、しかしこのお…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(28)

「群像」2020年7月号掲載。 戦死した父の形見の文庫本をゆっくりと、気になるところを手帳に書き写しながら読み進めるのを日課にしている初老の男性・阿見さんは、トラックのバックする時の音を聞いて父と戦争の記憶をよみがえらせる。だが、おそらくそれは…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(27)

「群像」2020年6月号掲載。「いちば食堂」のふたりの鯖談義から今回ははじまる。体幹とバランス感覚をバナナで喩えるという不思議な話も気に入った。へんに気取らない自然体の文体。崩れているのではなく、品格と知性に満ちているのだが、それが表面に強く表…

一緒に夢の記憶まで

今朝も五時四十分起床。妙ちきりんな夢を見たが、尿意に負けてしまい、メモを取る前にトイレに駆け込んだら、尿と一緒に夢の記憶まで排泄してしまったようだ。何も覚えていない。残念。 仕事。朝イチで某案件の資料を読み込み、不明点をざっとリストアップし…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(26)

「群像」2020年5月号掲載。 背中の痛みが取れて身軽になった阿見さんの、過去に対する「ひっかかり」のような感覚を、そろばんの珠の動きと音などに喩えて表現しているのだが、そこに生まれる大きな人生の流れのようなものが、とても魅力的に感じる。不思議…

堀江敏幸「二月の次に七月が」(24)

「群像」2019年12月号掲載。記憶を辿るということ。幸せも、ちょっと避けたかったことも、でも向き合わなければいけないことも、どうでもいいことも、すべてが今につながっている。 メディア: この商品を含むブログを見る メディア: この商品を含むブログを…

半分干からび

五時四十五分起床。四時ごろだたろうか、妻がゲロ臭い、ゲロ臭いと騒いでいるので目が覚めた。葵がどこかにゲロしたらしいのだが、発見できないという。だが、ぼくが起きたらすぐ見つかった。妻の枕元にかなり近い場所で、半分干からびかけていた。 仕事。某…

考えたくなったから考えた

五時四十分起床。早朝から慌ただしく作業し、早めの朝食を済ませてから外出。西荻窪の住宅街に、かすかではあるが金木犀の香りが漂う。 十三時、新宿某所にて新規案件の打ち合わせ。新しい仕事の打ち合わせは刺激が多く、学ぶところも盛りだくさんで楽しい。…

雨とレトルト

五時四十五分起床。いや、騒々しく響く雨音で五時に目が覚めた。マンションの裏手を流れる善福寺川が決壊するのではないか、と心配になるほどの降り方だったが、もちろんそんなものは杞憂だ。雨は新聞を取りに行く時間、六時半にはほぼやんでしまい、空は雲…

ひきずる体調、秋の雲

五時四十五分起床。昨夜の体調不良をまだ重くひきずっているようで、朝の身支度のすべてが緩慢になる。気分が悪いということはないが、体が重い。そういえば、昨夜は四度も小便で起きた。そして今朝は軽く下痢をしている。 曇天。空を覆う雲が微かに秋めいて…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(21)

「群像」2019年3月号掲載。 同級生であり、雇用関係にもある二人の男の会話。この小説は基本的に会話劇なのだが、大きな物語があるわけではなく、市場にある食堂を軸にした人間関係の広がりを、俯瞰的に描くというのが基本的な内容。会話の中には小さな物語…

堀江敏幸「二月のつぎに七月が」(20)

「群像」2019年2月号掲載。 なんだろ、「群像」における「男はつらいよ」じゃないけど、そんな感じの存在感になりつつあるようなw 白菜の漬け物を仕込む作業中に倒れ病院に運ばれた女性の手を握る夫。その手に、漬物の塩のじゃりっとした粒が付く。女性はそ…