五時四十分起床。晴れ。少しタンが絡むのは、この時期に必ず発症する謎のアレルギーのせいらしい。洟も出る。
朝イチで防災設備の会社の担当者が来訪。マンションの消火器の点検に立ち会う。
仕事。某ウェブサイトの原稿。これまで経験がないくらい話し手が暴走したインタビューだったので、要点の整理がタイヘン。まあ、おもしろい人だったので苦痛ではないのだけれど。
午後、妻と少し外出。近所の書店「BREWBOOKS」でやっていた、歌人の桝野浩一とマンガ家・イラストレーターの内田かずひろ、そしてイラストレーターの目黒雅也の三人による作品展を見る。内田さん、復活できてよかったねえ。こちらは桝野浩一さんのサイトから。
すぐ戻って作業再開。
夕方は軽くウォーキング。ついでにコジコジと葵のゴハンを買った。
読書は上田岳弘「旅のない」(「群像」2021年5月号掲載)。一つの作品の中に別の作品を展開することで、意外性に満ちた、でも共感できる着地点に作品世界を落とし込んでいくという『ニムロッド』でも用いられた手法がこの短篇にも生かされている。帰れるところがなければ旅ではない、そして帰れるところがあるということは大きな豊かさでもある、という考え方は一理あるようであって、そうでもないようであって。旅という概念を経済からどこまで切り離して考えるかという点に文学性が宿るわけではない、むしろそこにある苦しみや不条理さこそ現代の文学が追い求めるべきテーマである、ということなのかもしれないけれど、本作の世界にはそこまで重い感覚はない。個人のとまどいや、立ち止まる感覚のほうが強い。