わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

継続

五時四十分起床。世間的にはお盆休み明けということになるのだろう。こちらの提案に対する得意先からの返答の遅れで予定外の休暇となり、時間を持て余しつづけ、結局読書三昧、少しだけ動物園、ということになってしまった。そんな状態が、今日もつづいてし…

木田元、逝く

哲学者の木田元さんが亡くなった。ここ数年、木田さんの作品をちらちら読みつづけていた。もっと早く作品に触れ、「反哲学」の思想をもっとしっかり理解したかった。ご冥福をお祈りします。 六時三十分起床。ランニング6.8km、掃除。 午後はカミサンと井の頭…

諸星大二郎『夢見村にて 妖怪ハンター 稗田の生徒たち(1)』

後半の「悪魚の海」、まだ読んでいなかったので一気に読んだ。妖怪・怪物の伝説に民俗学的にアプローチしつつ、現代の奇譚として仕上げる手法は本作も顕在。海女が題材なのだが、「あまちゃん」にこんな要素があったら一気にホラーになるなあ。怖い。夢見村…

三浦雅士『私という現象』

「修辞的なこだわり、あるいは吉岡実への助走」。吉本隆明「言語にとって美とはなにか」から、吉岡実 へ。吉岡実は好きな詩人の一人。でも、最近は吉岡実を含め、全然詩を読んでいなかったんだよなあ。私という現象 (講談社学術文庫)作者: 三浦雅士出版社/メ…

ちさとがらみはいつも雨

六時三十分起床。黄金色の朝日に安心しながら起床するも、一気に空は厚い雲に覆われ、視覚的には季節感を一切失った。汗と蝉の鳴き声がなかったら、今がいったいいつなのか、たちまちわからなくなる。 午前中は掃除。午後はカミサンと近くのいわさきちひろ美…

三浦雅士『私という現象』

「金井美恵子、あるいは物語の作者と作者の物語」。金井美恵子は非常に好きな作家の一人。初期の作品は現在はほとんど入手できないんじゃないかな。講談社文芸文庫に初期短編集があるけど、それくらいだな、たぶん。あと『岸辺のない海』が復刻されているか…

距離感

五時四十五分起床。終戦記念日。ぼくが小学生のころだったはずだが、早くに両親を亡くした父の親代わりになっていた父の年の離れた姉夫婦、つまり伯母夫婦の家で古い写真を見せてもらったことがある。セピアがかったモノクロの写真に写っているのはハゲてい…

小野正嗣「九年前の祈り」

「群像」2014年9月号掲載。まだ読みはじめたばかりなのでよくわからないけれど、なーんか堀江敏幸っぽいなあ。『獅子渡り鼻』が大傑作だったから期待してるんだけどね。群像 2014年 09月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/08/07メディア: 雑誌こ…

三浦雅士『私という現象』

「筒井康隆と自意識の遊戯」。自由奔放で現実と非現実を簡単に、そしてぐっちゃぐちゃに行き来する70年代・80年代の筒井の作風は今読んでも本当におもしろいのだけれど、情報の深い穴や思考の無限ループに陥りそうになってもどこか薄っぺらい印象があること…

清水良典「デビュー小説論(4) 優雅で感傷的な見者 高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』」

「群像」2014年9月号掲載。『銀河鉄道の彼方に』『さよならクリストファー・ロビン』で原点帰りしたような感じのある高橋さんだが(そして最近は評論に主軸を置いてしまっているようだけれど)、『さようなら、ギャングたち』と『ジョン・レノン対火星人』は…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」(53)

「群像」2013年8月号掲載。「漢字の呪術」。「文身」としての漢字にルーツを求めた白川論。象形文字から表意文字への移行のミッシングリンク。古代人たちが身に刻んだ入れ墨に文字のルーツを求めるというのはとてもエキサイティングな仮説。文字が人を縛ると…

したりの日

五時四十五分起床。曇。急に休みになってしまったので特に予定もなく、午後からは雨も降り出したので出かける気も失せ、一日中書斎で本を読んだり居眠りしたり。 夕食は鶏もも肉唐揚げの南蛮漬けをつくった。鶏肉よりも一緒に漬けた香味野菜が美味。

大澤真幸「〈世界史〉の哲学」(52)

「群像」2013年7月号掲載。「文字の帝国」。手元にバックナンバーが残っているものの読み残し分を、暇なときにちょいちょい読んでいる。中華帝国は、官吏制度の運用や異なる言語(表音)が複数存在する広大な国土を統一するために「漢字」という表意文字が持…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学 近世篇」(11)

「群像」2014年9月号掲載。「イスラムと反資本主義」。商人の文化が深く根付いているはずのイスラム圏において資本主義および「法人」という概念・制度が発達しなかった理由に、宗教的に利子を取ることが禁じられていることを上げるという視点の問題点を指摘…

夏休み化

五時四十五分起床。以前はピピピと無機質な電子音が鳴るだけのデジタル式アラーム目覚まし時計を使っていたが(確かAmazonで800円くらいだったはず。カシオ製)、最近は愛用のスマホ、SONY XPERIA Z1にインストールした「UNIQLO WAKE UP」というアプリを使っ…

古井由吉「夜明けの枕」

ヒモ状態だった男が勤めに出ることによって、先行きは見えないながらもそれなりに安定していた二人の関係のバランスが、微かに狂いはじめる。愛情が憎悪のほうへ大きくぶれる、というのではない。今を生きつつも、意識が出会ったころの、より関係が危うかっ…

染まりきれない

五時四十五分起床。曇。 世の中はすでに夏休みモードのようで、仕事がいつもより、かなり密度が薄くなっている。朝イチでいくつかの仕事をこなし、その後は夕方までぽっかり時間が空いてしまったので、午前中はスーパーへ買い出し、午後は吉祥寺へ熱暴走対策…

古井由吉「夜明けの枕」

「群像」2014年9月号掲載。司法試験に挑戦しつづける(が一向に合格する気配のない)インテリヒモ男と養う女。まるで先の見えない息の詰まるような毎日の繰り返しのなか、女は布団の中で男の太ももを両足で挟み込んで胸をさすりつづけるが、気が済むとすぐに…

熱暴走

五時四十五分起床。台風一過、晴れてはいるようだ。湿度はさほど高くないせいか、目覚めは軽い。 交通整理をするような気持ちで仕事。あるいは、絡まった糸をほぐすように、とも言えるかもしれないが、それほど事態は深刻ではない。むしろ、今日一日の自分の…

片岡義男「三人ゆかり高円寺」

「群像」2013年5月号掲載。片岡義男らしい文体で、え、なんじゃそりゃ、というラスト。キレのいい短篇。ミッキーは谷中で六時三十分作者: 片岡義男出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/05/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る短編を七つ、…

大澤真幸「〈世界史〉の哲学 近世篇」(10)

「群像」2014年8月号掲載。「瀆神と商品」。なぜ資本主義はイスラム教で発生しなかったのか。神の存在を媒介とした贈与交換に起因するのではないかという考えは実に論理的。そして意外。イスラム圏のゴタゴタは、状況を把握するだけではなく文化的・思想的な…

ざわつく

六時三十分起床。重いまぶたを中途半端に開け、散漫に身支度を進めていると、時折強い雨音が高く、しかし地面を響かせて聞こえてくる。雨雲はまだらで気まぐれらしく、どうやら今日一日、降ったりやんだり強まったり弱まったりが、ふらふらと不安定につづく…

奥泉「ビビビ・ビ・バップ」(9)

「群像」9月号掲載。志村けん、立川談志につづき、とうとうジミヘンまで登場してしまう。あぜんとしつつ読み進めていたら、次に出てきたのは頭脳警察。うは。群像 2014年 09月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/08/07メディア: 雑誌この商品を含…

台風が近い週末

六時起床。台風が接近。東京は直撃しないようだが影響は大きいらしい。不安定さを気にするように、一日を過ごす。掃除。NHK「団地ともお」(高校野球開会式が中止になったので急遽過去に放送したものを再放送した模様)。 午後からは仕事に精を出す。たっぷ…

今日の事件簿

猛スピードでオレは事件 家ゴハン事件 やっぱり暑いことに変わりない事件 麺つゆは手に入らない事件 梅干しは手に入る事件 ふりかけは大量に買う事件 鯨を食らう事件

奥泉「ビビビ・ビ・バップ」(8)

「群像」8月号掲載。デジアナ融合志向がどんどん強まっていく感じ。群像 2014年 08月号 [雑誌]出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/07/07メディア: 雑誌この商品を含むブログ (8件) を見る奥泉光の作品はこちら。

ギリギリのポンコツ

五時三十分起床。暑いわ、慌ただしいわ、で危うくポンコツになりそうな気分、というよりもすでにポンコツ、かろうじて思考能力だけがギリギリのところで仕事をするに足る水準を保っているような感じがするが、まあ、気のせいなのだろう。 仕事。夕方は四ツ谷…

わずかな仮眠で

五時五十分起床。暑さがこたているのか、だれているだけなのかよくわからないが、午前中は睡魔と戦いながら仕事。結局十一時ごろ、十分だけ仮眠を取った。 午後は比較的快調。夕方、後楽園で打ち合わせ。ヴィドフランスで少し休憩してから帰社/帰宅。 うー…

多和田葉子「献灯使」読了

ここに描かれている未来の少年たちは、絶望という言葉も、恨みという言葉も、おそらくは知らない。現代の言葉でいえば身体障害者なのだろうが、彼らの毎日を紹介するドキュメンタリーを観たときとはまったく異なる感情ばかりがわきおこる。同情ではない。悲…

屋上の夢、忘却の彼方

二時、麦次郎の雄叫びで目が覚める。四時、花子にゴハン。五時五十分、きちんと起床。今朝もおかしな夢を観た気がするのだが、まったく思い出せない。忘れないようにと目覚めてすぐに書いたメモには「屋上」としか書いていない。 仕事。今日も焦りながら考え…