三時、花子に大騒ぎされる。三十分ほど付き合う。
朝起きたらまず何をしなければならぬのか、その判断もつかぬくらいに脳が停滞している。脳が指令を出さないからか、それとも脳の指令を拒否しているのか、体がまったく動かない。おそらくは夜中の三十分が原因であろう。どのくらいの間、茫然としていたのか。それもよくわからない。気づいたら時計は七時になっていた。まず、トイレに行ったがさほど小便は出なかった。どうやら、朝起きたらまず何をしなければならぬのか、その判断を誤ったらしい。
終日、書斎に籠って仕事。十八時、かなり作業の目処が立ったので軽く散歩する。あちこちの庭を飾っていた薔薇の花がしおれ、朽ちている。梅のときもジャスミンのときもそうだったが、好きな花の季節が終わるのはさみしい。つらい別れ、というのではない。来年もまた咲くさ、と青春映画のような期待を抱くわけでもない。ただ、淡々と花の消えるのを惜しんでいる。