六時起床。晩秋の雨は部屋の中まで冷気を伝わらせる。寒いと感じながら布団に入ったまま上体だけ起こして朝の日課である血圧測定の準備をしていたら、いつの間にか葵が傍らで香箱を組んでいた。少し寒そうだ。シャム猫は体毛が短い。葵は体型がタヌキだった麦次郎とは対照的にスレンダーだから、いかにも寒そうに見える。
朝食はなし。九時前に水を一杯飲んで、終了。簡単に掃除を済ませ、読書などして気を紛らわせ、十二時半、妻と河北健診クリニックへ。会社の定期健診。血液検査やバリウムの胃レントゲンも行う。コロナが心配だったが対策は万全。ここ数年は多少改善されていたものの、いつも待たされながらの受診だったが、今回はかなり人数を絞っている。待ち時間はほぼなかった。
帰宅後、キンパ弁当で遅めの昼食。その後はバリウム排出用の下剤を飲んでいる関係で外に出たり運動したりはできないので、自宅でのんびり過ごした。
夜、「IPPONグランプリ」。笑い飯・西田が異様に面白くなっていた。何年か前のもう中学生の時も感じたが、何か壁をぶち破ったような感覚。すごい。
工藤庸子「大江健三郎と〈晩年の仕事〉」(「群像」2020年12月号掲載)。リアルタイムで読んだ時は、正直言ってあまりよくわかっていなかった『水死』を深く読み解いている。国体主義、天皇制、エリオット…。さまざまな要素が複雑に入り組み、一読すると時系列に沿ったストーリー展開であったにも関わらず実はそうではないこともだんだんわかり、再読したい気持ちに駆られている。