わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

顕在意識が潜在意識を

 五時三十分起床。サラリーマン時代の会社の夢を見たようだ。起きてすぐ書くようにしている夢の内容のメモにそう書いてある。だが、内容をさっぱり覚えていない。本当に見たのだろうか、と自分で自分を訝しむ始末だ。夢とは怪しいものだ。起きてからいくらでも書き換えができる。顕在意識が潜在意識を食い荒らす、という感じだろうか。

 仕事。金曜の夕方に受けた超特急案件を仕上げてメールで送付。その後も細かな案件でバタバタし続けていたが十四時過ぎにはパタリと落ち着いてしまったので、夕方は整骨院で首の治療をしてもらった。

 

 読書は工藤庸子「大江健三郎と「晩年の仕事」」(「群像」2021年6月号掲載。)連作評論、今号が最終回となる。タイトルは「「戦後の精神」について」。冒頭で、大江作品におけるユーモアについて述べているのだけれど、文学的な素養がある程度ないと笑えないものであったり、単純に説明しすぎていてちょっと笑いがズレていたりと、一筋縄ではいかない。工藤さんはこれを「笑い」と評価しているのだが、ぼくにとっては、なんだかよくわからない作品のねじれ、うねり、あるいは落とし穴のようなものに感じる。笑いが起きるのではない。芸人がよくわからないギャグをコントに盛り込んで微妙にすべることがあるが、あれに感覚は近い。コントでのスベリはその場限りかもしれないが、大江作品のユーモアは奇妙なカタチでその後の作品世界に影を落とす。

 

群像 2021年 06 月号 [雑誌]

群像 2021年 06 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2021/05/07
  • メディア: 雑誌
 

 

 

女たちの声

女たちの声

  • 作者:工藤庸子
  • 発売日: 2019/06/17
  • メディア: 単行本
 

 

 

 

 

水死 (講談社文庫)

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美しいアナベル・リイ(新潮文庫)

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晩年様式集 (講談社文庫)

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