わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

「道」の由来

 五時四十分起床。晴れ。

 ようやく右足ふくらはぎのケガも治り、寝違えもよくなってきたので、今朝は久々に走ることに。まだ長い距離を走るのはコワイ、という意識がある一方で体の軽快さも感じ、いつもよりはスピードを出せていたようだ。もちろん、短いぶんだけ早さのほうに体力を割けた、というのもある。善福寺池まで6.8km。今年も池に大きな鯉のぼりがかかっていた。

 
 
 
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 戻ってから掃除。

 午後は天気が急変し、降ったり止んだりを繰り返している。書斎にこもって読書。倉数茂「父の箱」(「群像」2021年5月号掲載)。「世にも奇妙な物語」的なラスト。短篇というしばりを効果的に使っている技巧的な作品だけれど、これ、今回の短篇特集のテーマ「旅」とはかなり違うような……。拡大解釈すれば、これもまた「旅」なのだろうが。

 つづいておなじ短篇特集から、津村記久子「イン・ザ・シティ」(同誌同号)を少し。このタイトルを聞くとザ・ジャムを思い出すが、関係あるのかな。女子高生、そして「マインクラフト」というゲーム。このゲーム、タイトルだけは聞いたことがある。

 久々に、三浦雅士『孤独の発明 または言語の政治学』も開いた。第六章。白川静の、「道」という漢字は、古代に道を歩いて移動することは危険を伴う行為で、移動のために通る「道」には自分の地域を守る鎮守の神の力が及ばなく、道に仕掛けられた「呪」から逃れるために、首を抱え、呪を唱えながら歩いたという説は衝撃的。確かになぜしんにょうに首なのだろうと不思議だったが…。こういった視点から考えると、万葉集に書かれた歌の多くは「呪」に関わるということもショッキングな解釈。そして論考は、道を歩くという行為から人間の「見る」という行為に向かい、この作品のテーマの一つでもある鳥瞰・俯瞰の視点に関する考察に向かう。

 

群像 2021年 05 月号 [雑誌]

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