わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

小規模な生活とツッコミ中也

七時起床。冷たい雨。冬に逆戻りしたような寒さだとテレビでは報じていたが、冬に戻ったというよりは、少々寒い春。あくまでも、春。日が延び花開くようになったというのに、冬という表現は今さらな気がする。マンションの向かいにある古い一戸建ての塀から…

山本昌代『善知鳥』

「うとう」と読む。 正確には、「購入書籍」じゃなくて「もらっちゃった書籍」。散歩のつもりで図書館に行ったら、不要本のリサイクル配布をしていたので引き取った。 この人の時代小説はまったく読んだことがない。でも、現代を舞台にしている『緑色の濁っ…

コガモワンサカ

夜中、何度も花子に小さく噛まれた。六時二十分起床。曇天。 善福寺川にコガモ(子鴨ではない。コガモという種類のカモ)がわんさかと。ケンカしたり、ごはん食べたり。 日中は仕事。某スポーツ企業企画、某不動産会社会社案内など。 夕方はカイロプラクティ…

伊藤比呂美『河原荒草』

途切れることのない苦しみが、蔓草のように伸び、からみつく。苦しみの混乱。描かれる植物はみなニンゲンのように猥雑で、登場する人物はみな枯れ草のようにひからび、肉体的な生命力を失っている。いや、肉体的な苦痛にあえいでいる。では、精神はどうなの…

花粉におびえる、ぼくはおびえないけど

六時三十分起床。曇天。雲越しに光る春の陽。花粉がピークらしいが、花粉症ではないのでへいちゃらだ。カミサンは毎日苦しそう。お隣のダンナがマスクをして出かけるのを見かけた。後ろ姿がつらそう。うつむき、背を丸めがちにして歩く一歩一歩が重い。花粉…

堀江敏幸『おぱらばん』読了

おもしろいし、二重三重に引用のトラップを仕掛ける技巧的な作品構造には感心するのだが、感動できる内容ではないので、なんだか拍子抜けな読後感。『雪沼とその周辺』や『河岸忘日抄』などのほうが、最後の1ページの最後の。までたどり終わった瞬間に、充…

命日と寿命

六時二十分起床。眠った気がしない。意味不明の夢のエンドレス上映。脳が興奮していたのだろうか。ひとりの詩人から、一時間かけてエネルギーを搾り取った直後だ。興奮しないほうがおかしい。 うりゃうりゃの命日。うりゃよ、あの世は楽しいかい? 身支度を…

番外編・「Poetry Voice Circuit」第185回・伊藤比呂美

朗読会。広く考えればこれも読書なので、「読書日記」の番外編として。 我らが比呂美ねーさんが、40名ほどの聴衆を前に、フリートークを交えつつ、朔太郎賞受賞作『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』の他、近作『河原荒草』、『のろとさにわ』などから一時間ほど朗…

比呂美ねーさんと天童さん

月曜までにあげなければならぬ仕事は、昨夜で片付いた。今日は休養。とはいえすることはわんさかとある。何から手を付け、次に何をするか。夕方までの時間をどう使うか。そんなことを考えつつ床につき、例によって五分も経たぬうちに熟睡し、気付けば五時半…

垂直尾翼にゲゲゲの鬼太郎

名作コミック「エリア88」では、主人公のシンは炎のたてがみのユニコーン、ミッキーはプレイボーイのバニー、サキはライオンのエンブレム、グレッグはドクロ、グエンはコウモリの羽をもった人食いトラ……と、垂直尾翼(胴体の場合もあるけど)に描かれたマー…

伊藤比呂美詩集

1988年発行とあるから、20年前の作品集。やはり20年ぶりくらいで読み返しているけど、いやあ、すごいのなんの。現代詩してるなあ。 性(生殖?)と生(生理?)に関する言葉をためらいもなく使うその姿勢は、今読むと攻撃的かつ本能的、メス的、エロティック…

圧力鍋でつくるスペアリブカレー

骨から肉が自然に取れちゃって、ホロリ、トロリと食べられます。 タマネギ(大1個)、ニンジン(中1本)はすり下ろしちゃう。 圧力鍋を熱して、一度肉だけバターで炒めちゃう。 焦げ目がついたらいったん取り出して、ニンニク、ショウガのみじん切り(1か…

ギョーギョーギョーギョーゲッゲッゲッゲ

七時起床。いや、六時三十分には目が覚めた。暖かな朝。四月頃の陽気になる、とは天気予報で聞いていたが、予想以上に暖かい。全然寒くないじゃん、これならすぐに布団から抜け出せる、さて起きて身支度するか、などと考えていたのだが、気付いたらまた寝て…

古井由吉「やすみしほどを」

「新潮」で今月からはじまった連作短編の第一作目。昨夏に手術したことは知っていたが、どうやらその前後の体験に基づいた、私小説っぽさの色濃い作品。ただし、単なる私小説ではない。 十七年前に行った手術とまったく同じ施術をすることになった老作家が、…

ラテン系満員電車/雑煮とチンコ!

五時四十五分起床。雨。暖かな春の雨。 九時過ぎ、外出。車内は意外に混んでいる。ほとんどの乗客がぶらさげている傘が混雑さに輪をかける。シートに腰掛けうたた寝していたら、丸ノ内線の新宿駅あたりだたったろうか、にぎやかな連中が乗り込んできた。ガイ…

今日の事件簿

ゴルフって金食いだねえ事件 図書館があるじゃないか事件 フェンネルパンうまい事件 車内で「ひまわりっ」読んでニヤ事件 ジンチョウゲ濃厚事件 アンズ満開事件 桃も満開事件 結局図書館に行かなかった事件 アイスノン爆発事件 遅れているのね事件 ケマメツ…

便器ロボ

動くたびに水漏れがしそうで心配。クラシアン呼ばなきゃ。

堀江敏幸『おぱらばん』

「クウェートの夕暮れ」「手数料なしで貸します」。見事に作品の展開パターンが同じ。ただし、内容が異なるから読後感も違ってくる。感動する、というよりは、ふーんそうやって締めちゃうのか、という感じ。おぱらばん作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 青土社…

2と5

昨夜は確か、十二時半ごろに寝た。神経質だというのに眠りだけはなぜか野太い方で、枕にアタマを付けてほんの数秒で意識がぶっ飛び、夢の世界へ猛スピードで突入していくたちだ。昨夜もたちまち眠りに落ちたはず。そして、目覚めた。花子にゴハンをあたえな…

堀江敏幸『おぱらばん』

「音の環」。なくなった祖父、音の記憶、音に関する読書体験。 「黄色い部屋の謎」。黄色い部屋、ベンチ、そしてそれらをつなぐ読書体験。 読書におけるシンクロニシティ、なのかな。なるほど、同時性とはドラマティックなものだからなあ。おぱらばん作者: …

ぬるま湯/冷やさなければ

六時二十分起床。ぬるま湯のような朝日。 午前中は芝公園にある某コンサルティング会社へ。二時間近く打ち合わせをするも、迷走。大慌てで後楽園へ移動し、次の打ち合わせ。まともに昼食を摂る時間をつくれなかった。期末はどうしても慌ただしくなる。 夕方…

堀江敏幸『おぱらばん』

「ボトルシップを燃やす」。子どものころの記憶に映画のイメージが重なり合う。郷愁ではない、鮮烈な記憶の断片。おぱらばん作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 青土社発売日: 1998/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 47回この商品を含むブログ (34件) を…

優柔不断な春

六時起床。雨。降ってるんだか、やんでるんだか、よくわからん曖昧な空模様。春の空は意外に優柔不断。はっきりしない表情の空に、深紅や純白に咲き乱れる春の花々が映える。 早朝から仕事にとりかかるも、どうも混乱気味。時間が足りなくなり、昼食を五分で…

金井美恵子『目白雑録(ひびのあれこれ)』

便所でウンコするときに読んでいる。いわゆる目白モノのシリーズに限りなく近い文体で、文壇(とゆーか批評家さんたち)だの社会だのをバッサバッサと斬りまくり。目白雑録 (ひびのあれこれ)作者: 金井美恵子出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2004/06/1…

堀江敏幸『おぱらばん』

「床屋嫌いのパンセ」。床屋が嫌い。再開発。ツバメの飾り。おぱらばん作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 青土社発売日: 1998/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 47回この商品を含むブログ (34件) を見る

ハナクソは笛になる

五時五十分、気付けば花子が腕枕で寝ている。ハナクソを溜め込んでいるのか、スピースピーと鼻息が笛の音になって聞こえてくる。六時には起きようと思っていたが、十分ほど遅れてしまった。ぼくが起きた後も、花子は枕にぴたりと体を寄せ、アンモナイトのよ…

堀江敏幸『おぱらばん』

この作品、知らなかったが三島賞を受賞しているとのこと。ということは、エッセイを小説として読む感覚、というよりはこの作者めニセエッセイ書いてやがる、ホントは小説だろコレは、というひねくれた視点から読んでいたのだが、それは間違いで、これはやは…

休日がわかる猫

花子。どうやらホントにわかるらしい。平日は寝坊すると起きろ起きろと大騒ぎするしデスクで仕事をしているぼくにあたったりじゃまをしたりすることが多いのだが、休日はいつまでも寝かせてくれるわ、本を読んでいると(平日だって本を読むのに)甘えてくる…

「漫才」というコミュニケーション

七時起床。晴れ。霞みながら緩く伸びる春の青空に、紅梅白梅の鮮やかな色が映える。もう終わりだろう、すぐに終わる、そう感じ始めてからすでにかなりの日数が経つ。梅の花は、案外しぶとい。そのしぶとさが好きだ。 掃除を済ませ、クィーンズ伊勢丹まで買い…

David Sylvian「Blemish」

ついつい、こればっかり聞いちゃうんだよなあ最近は。 「サイボーグ009」は自己否定がベースにある物語だといった内容のエッセイを比呂美ねーさんが『伊藤ふきげん』で書いていらっしゃるが、デヴィッドの作品にもちょっとそんなところがある。特に若いころ…