わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Steve Jansen "Sleepyard"が日産のCMに

ただし、ボーカルを引っこ抜いてインストにしての利用。クレジットはない模様(というか、オリジナル曲って書かれてる)。24時間テレビ限定で放映。 http://www.stevejansen.com/news/nissan_tv_commercial.html http://www2.nissan.co.jp/24/CM/index.html …

小川国夫『止島』

「琴の想い出」。車夫の孫、琴という少女の登校拒否。今から80年くらい前にもこういったことがあったことに驚くが、よくよく考えれば、あって当然。 ものすごい牽引力。平易な文体で軽妙に読者を作品世界へと引っ張っていく。 止島作者: 小川国夫出版社/メー…

桃太郎ジーンズ/DENIM HOUSE

国産ジーンズはほとんどが岡山でつくられている。桃太郎ジーンズもその名の通り岡山産。地元の小さなジーンズメーカーが、直営店「DENIM HOUSE」中心に販売している。大量生産ができないので、こういう売り方しかできないのだそうだ。もっとも、一部の百貨店…

流れか、一瞬か

八時起床。曇りがちだが四捨五入すれば晴れだ。葵や芙蓉や百日紅の花が、陽に照らされて輝いたり、影に潜んだり。 午前中は掃除やら何やら。午後よりカミサンと高円寺へ。カミサンも個展会場として利用させていただいている猫ギャラリー兼雑貨店「猫の額」へ…

吉田健一『時間』

時間と歴史は異なるものでありながら、同一でもある。ってことなのかな。時間は一方向に向かって進みつづけるが主体から見れば自分以外は静止していると捉えられなくもない(ここには認識のズレという、カント以降の近代哲学の命題が関わっていると思うけれ…

小阪修平『現代思想のゆくえ』

確信を出発展にした認識論や存在論の行く末にあるのは相対主義。フッサールは相対性の危機を、「知覚という『確信の内部性』に環帰するところから出発して克服しようとした」と小阪は分析するが、その結末は陳腐で夢想的な理想主義でしかない、と批判する。…

小川国夫『止島』

「しのさん」。好きだった娘が結核になり、その死を、惚れていた主人公を含む三人の男が看取る、という話。 「亀さんの夕焼け」。父の会社の従業員(なのかな)で元人力、亀さんが老いてしまったのが悲しい、という話。 読みすすめるうちに、行間から「孤立…

カボチャとミソのスープ

オリジナルは韓流イケメン料理研究家、コウケンテツ氏。ありがとうございます。 材料 かぼちゃ 1/4 和風だし 味噌 大さじ2 水 2カップ 小松菜 1束 ごま かぼちゃを一口大に切り、レンジで3分くらいチン。 柔らかくなったら1/3程度を別の皿に移しておく。これ…

富士山噴火

長い旅。利根川にかかった大きな鉄橋を注意深く、しかし興奮気味に歩いて渡る。その先ではムーンライダーズがライブをやっている。鈴木慶一はどう見ても三十代。ここまでがひとつめの夢。いや、橋を渡るのとライブは別々だったかもしれない。 そしてふたつめ…

小川国夫『止島』

遺作短篇集。心して読むべし。 「葦枯れて」。戦国時代の、戦の場での身内殺し。ですますを基本とした奇妙な文体とねじれるような展開、そして怒りをそのままに放置したかのようなラスト。深刻なテーマを実験的な手法で語った傑作。いや、実験的でもないのか…

きみはD大学のドイツ語学科にいたNちゃんだよね

近所のアパートに大学時代の同級生のN(女性)が住んでいたようで、何度か部屋から出てくるところを見かけたり、近所のコープで買い物しているところに遭遇したり、駅までの道ですれ違ったりしていたのだが、いつの間にやらその部屋には別の女性が住みはじめ…

西原理恵子『ちくろ幼稚園ぜんぶ』

中盤あたりから、サイバラらしい毒てんこもりの四コマに。ちくろ幼稚園―ぜんぶ (ヤングサンデーコミックス ワイド版)作者: 西原理恵子出版社/メーカー: 小学館発売日: 1999/10メディア: コミック クリック: 1回この商品を含むブログ (3件) を見るできるかな…

奥泉光『モーダルな事象 桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活』読了

ラストまで読めば、なぜ「桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活」というサブタイトルが付いているのかがよくわかる。なぜなら、本作はミステリでありメタ・フィクション(という言葉をぼくは信用していないが)であると同時に、桑潟幸一という一人の文学者…

儚い祈りと皆藤愛子

五時五十分起床。朝から蒸し暑い。曇りがちの空からわずかに陽が差す。ベランダの手すりが濡れているから、夜中に一雨降ったのだろう。別段理由はないのだが、晴れてくれ、と願いながら身支度するが、間違いなく雨は降る。「めざましテレビ」で皆藤愛子がそ…

吉田健一『時間』

第二章、三十分ほど読んだのだが……5ページくらいしか読めなかった。涙。 第一章は日常的な感覚における現在と過去(それに未来も)の定義付けをしているように思えるけれど、どうなんだろ。自分が認識している対象の変化を仮に環境的な時間と呼ぶことにする…

奥泉光『モーダルな事象』

物語はいよいよラストに。混濁する時間の中で、北川アキとフォギーのふたりは、桑幸が十五少年を解放する現場を遠くから目撃する。 モーダルな事象―桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活 (文春文庫)作者: 奥泉光出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/08/0…

ギャラクティカ・マグナム

昨夜はキャイーン天野が司会をしている「マンガノゲンバ」を観てしまった。毎回売れっ子漫画家の作品を紹介しながら本人にインタビューし、作品のコンセプトだの苦労話だのを聞く、というNHKらしい内容なのだが、司会がマンガ好きな天野だから質問が作品への…

吉田健一『時間』

ちょっと思うところあり、一章だけ読んだのだが…まあ難解なこと。内容にはさほど鮮烈さはないんだけど。文章さえ理解できれば、うんうんとうなづける。時間 (講談社文芸文庫)作者: 吉田健一,高橋英夫出版社/メーカー: 講談社発売日: 1998/10/09メディア: 文…

奥泉光『モーダルな事象』

小貝島に集う登場人物たち。モーダルな事象―桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活 (文春文庫)作者: 奥泉光出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/08/05メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 28回この商品を含むブログ (64件) を見る新・地底旅行作者: 奥泉光…

マンゴーと百日紅

足の生えたグラス。と書くと妖怪のようだが、要するにワイングラス。そこに濃く、ドロリとした黄色い液体が注がれる。味見せずとも、それがマンゴードリンクだとわかった。そこで目がさめてしまい、こうなるともういても立ってもいられなくなり、身支度を済…

奥泉光『モーダルな事象』

蓑虫の告白。モーダルな事象―桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活 (文春文庫)作者: 奥泉光出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/08/05メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 28回この商品を含むブログ (64件) を見る『吾輩は猫である』殺人事件 (新潮文庫)…

本能

五時五十分起床。風邪っぽさはかなり抜けたものの、どういうわけか眠たい。ここしばらくつづく悪天候に身体が反応しているのか。雨降りの日は、ただただひたすらに身体を休めつつ、じっと晴れるのを待つ。それがドウブツの本能なのかもしれない。 某アミュー…

奥泉光『モーダルな事象』

蓑虫先生が殺人犯? 自分が注目されぬことを不満に感じてるアホな桑幸。 モーダルな事象―桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活 (文春文庫)作者: 奥泉光出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/08/05メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 28回この商品を含むブ…

ゴーヤづくし

ちょっと風邪気味だったせいか、六時に起きようと思ったのに体が動いてくれない。八時までグダグダしつづける。 終日仕事。日曜だが、雨だから、まあいいか、という気分で某アミューズメント企業企画など進める。 実家からゴーヤ、トマト、味噌など届く。し…

西原理恵子『はれた日は学校を休んで』

サイバラの作品集。表題作は思春期のモヤモヤとした反抗心をモヤモヤと表現した傑作。無頼なギャグも同時収録している。気に入ったのは、ギャグっぽいけど叙情的な「やまもとくんとまぶだち」。でもいちばん気に入った一話目、二話目は叙情性ナシのとんでも…

ズルズルサラダ

ローソンで売っていたらしいオクラとか使うサラダとは別物。ヤミツキになる味。しっかり腹にも溜まる。 キャベツを千切りに。 大根を適量、すり下ろす。 同量の山芋をすり下ろす。 だし汁を少し加えて、よーくまぜる。 キャベツにかける。 そこに和風ドレッ…

奥泉光『モーダルな事象』

蓑虫先生が溝口俊平の子ども? 複雑な構成だが重たく感じないのは、主人公の桑幸がアホだからか。モーダルな事象―桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活 (文春文庫)作者: 奥泉光出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/08/05メディア: 文庫購入: 5人 クリッ…

喰って直す

食欲が高まるときはどんなときか、と問われれば、秋、と季節で示す人や、腹減ってるとき、と当たり前な理由を挙げる人などいろいろあるだろうが、ぼくの場合はちょいと体調の悪いとき、と言うことになる。なぜそうなのかはよくわからんが、今日のように風邪…

茅野裕城子「北方交通」

前半の翻弄エピソードとは無関係に、後半は国外に亡命したチベット民族の生き様が、ニューヨークという異国の地、そして国際派ルポライターの視点というふたつのフィルター越しに展開される。前半とのつながりが、正直言ってよくわからなかったのだが、それ…

西原理恵子『上京ものがたり』読了

他のサイバラ作品より私小説性が高いなあ、と思った。 一ページ一エピソードの半生記のようになっている。うーん、各エピソードはもっと掘り下げた状態で読んでみたかった、と痛感。ホント、もったいない。 後半はサイバラの「ありがとう」が連発。その姿勢…