わたしが猫に蹴っとばされる理由

文学・芸術・哲学・思想の読書&鑑賞日記が中心ですが、雑食系なのでいろいろ取り上げてます。猫もいるよ♡

美術

三村で始まり「出ない」で終わる。

年内いっぱいで閉店することになった、個性的な品揃えで有名だった信愛書店に行ってみると、アロハにワイドシルエットのビンテージジーンズといういでたちの、人のよさそうな顔のおっさんが入ってきた。さまぁ〜ずの三村だ。「モヤモヤさまぁ〜ず2」のロケか…

赤瀬川原平、逝く

朝刊で、(尾辻克彦)が他界したことを知った。20代・30代は、彼の若いころのぶっ飛んだ芸術世界に憧れ、超芸術トマソンに関心を抱いて街をさまよい、尾辻克彦名義の小説や、赤瀬川原平名義のエッセイを読みふけっていた。講演会にも行ったことがある。 近年…

マーケティングとアートと夕陽

六時四十五分起床。いや、五時半には目が覚めていたのだが、そのまま花子に頭をベロベロと舐められるのを避けつつ、夢見心地、と表現すると心地よさそうだが、頼むからやめてくれ、という懇願と逃避とが入り交じった複雑な心理のまま夢とうつつとを行き来し…

山種美術館「Kawaii日本美術」 http://www.yamatane-museum.jp/

日本独特の表現とも言え、サブカルチャー的には世界共通語になりつつある「Kawaii」のルーツを日本美術のなかに探ろう、って感じの企画展。たしかに若冲とかカワイイ作品多いんだよね。子どもの絵はあまりかわいいと思えなかったが、動物は捉え方も描き方も…

「大妖怪展 鬼と妖怪そしてゲゲゲ」三井記念美術館

ようやく時間をつくって見に行くことができた。ちびっ子はみんな妖怪大好き。というわけで、比較的子供が多かったかな。 国芳や芳年の妖怪浮世絵、鬼や魔物をかたどった能面、百鬼夜行の巻物、水木しげるセンセの妖怪画の原画など。うーん、この美術館は工芸…

東京ステーションギャラリー「大野麥風展」http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

1937年に出版された「大日本魚類画集」で原画を担当した、博物画の巨匠とでもいう感じの画家。正直言って初期の日本画はまったくよくないのだが、生物に対する愛情はしっかりと感じられていて、その気持ちが「大日本魚類画集」では超絶技巧と絶妙な構図とな…

中ザワヒデキ展「脳で見るアート」

現代芸術の旗手、という扱いで、脳内で理屈をこねくりまわしながらつくったような、奇抜な発想の作品数点が展示されていたが、うーん、全然感動できなかったなあ。展示品入れ替えのパフォーマンスを一般公開していたが、退屈だった…。イラストレーター的な作…

東京都立現代美術館「FUTURE BEAUTY 日本ファッションの未来展」

ちょっと珍しいファッションをテーマにした企画展。何年か前にヨウジヤマモトのドレス展みたいな企画をどこかでやっているのを観たが、それ以来かな。そもそも、美術館に来るのがかなり久しぶり。こまめに通いたいのだが、最近は企画展の混雑がすさまじすぎ…

David Sylvian with analogue instant film「glowing enigmas」

中目黒にあるIMPOSSIBLE Project Spaceにて、5/20まで開催。デヴィッドは趣味としてジャパン時代からポラロイド写真をよく撮っていたのだが、最近はデジカメの作品を彼の公式サイトにアップしていた(ちょっと藤原新也っぽい色彩感覚がおもしろい)。しばら…

吉祥寺美術館「紙上の技法学 〜筑波大学所蔵 石井コレクション」http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/

小さな美術館なのに、ココはいつもホントに企画がいい。紙という素材に描いた作品を掲示すると同時に、その技法を丁寧に解説している。技法解説中心の企画かと思いきや、扱った作品がどれも素晴らしい。抽象画が中心なのだが、キャンバスに描いた油絵だけが…

吉祥寺美術館「池田満寿夫展 組み合わされたイメージのなかへ」

池田満寿夫は大好きで、特に初期の「動物の婚礼」などのこちゃこちゃした落書きのような作品、それから最晩年の土方巽がらみの「美貌の青空」が非常に気に入っている。今回の展覧会は、初期や「美貌の青空」も若干展示されていたが、基本的には池田の得意と…

吉祥寺美術館・古川タク展「あそびココロ “1本の線から”」

イラストの世界じゃ超大御所の古川タクさんの個展。絶対にマネのできない、味のある線で子どものように無邪気な発想をどんどん展開していく。好きなイラストレーターの一人ではあるのだが、今回の個展は展示スペースは狭いし展示点数は多すぎるし、とにかく…

武蔵野市立吉祥寺美術館「うたう色・あそぶ線 山喜多二郎太展」

猫缶やら猫砂やらを買い出すために出かけた吉祥寺で、入館料100円だからという理由だけで入ってしまった。見たい見たいと思っていたシュールレアリスム展などをことごとく見逃し、何が展示されているかも知らずに、近いからという理由だけで吉祥寺美術館に安…

吉祥寺美術館「100かいだてのいえのひみつ 岩井俊雄が子どもたちと作る絵本と遊びの世界展」

メディアクリエイターによる絵本「100かいだてのいえ」「ちか100かいだてのいえ」の原画と制作過程のメモやラフ、それから岩井氏が自分の子どものためにつくったダンボールのおもちゃなどで構成。来場した子どもたちが描いた100かいだてのいえの絵も展示され…

吉祥寺美術館「未来へつなぐ花鳥画」 http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/

奈良にある松伯美術館(上村松園・松篁・淳之の三世代の作品を収めた美術館)で行われている、若手花鳥画家の育成を目的とした公募展の優秀作品展。現代芸術も最近は関心を抱くようになってきたのだけれど(というか、若いころは現代芸術のほうが好きだった…

京橋・ギャラリーモーツァルト 結城幸司「私は人(アイヌ)のくにがみたくてみたくて…」展

ピーター・バラカン氏がツイッターで紹介していたので気になって行ってみた次第。アイヌの神話をモチーフにした木版画。古代の人々の刺青を思わせるような幾何学模様とともに、熊をはじめとするさまざまなアイヌ神話のモチーフが荒々しく彫られている。とに…

練馬美術館「稲垣仲静・稔次郎兄弟展」

大正期に傑作を発表したものの二十五歳で他界した稲垣仲静と、その弟で染色作家として人間国宝に認定された稔次郎の二人展。仲静は動物画が中心。晩期の作品は対象に溶けこむような感覚と対象と対峙する姿勢の両方が繊細なタッチで描かれている。この感覚は…

武蔵野市立吉祥寺美術館「草間彌生展 ワタシというナニモノかへの問い」

草間には、サブカル系の若者たちでやたらともてはやされているような感があるアート界のカリスマ、という勝手なイメージを抱いている。実際、かなり若い(ふだんは美術館なんて絶対に入らないような)人たちも来ていたようだ。それは素晴らしいこと。どんど…

梅佳代写真展「ウメップ」 シャッターチャンス祭り in うめかよひるず

あまり仲よくない知り合いから、無理やり「これは傑作だから」と思い出のアルバムを見させられたときとおなじ気分になった。写真集で鑑賞するときとまったく違う気分になってしまうとは、どういうことだ? と思ったが、どうやらこれは作品の展示の仕方による…

太田記念美術館「浮世絵動物園」

メインあるいは脇役で動物が描かれている浮世絵を集めた企画展。河童だの天狗だの猫又だの、妖怪や空想上の動物も多く展示されていた。国芳と曉斎の作品は群を抜いてよかった。動物をテーマの一つととらえ、愛情ある視線で観察しつづけていたからだろう。当…

松屋銀座「水木しげる米寿記念 ゲゲゲ展」 http://www.matsuya.com/gegege/index.html

水木サンの三大傑作『ゲゲゲの鬼太郎(or墓場の鬼太郎)』『悪魔くん』『河童の三平』と妖怪イラストの原画展。妖怪のブロンズ彫刻も観られる。妖怪イラストは以前原画を観たことがあるのだが、漫画の原画ははじめて。スーラやエッシャー、ブリューゲルあた…

杉並アニメーションミュージアム「アニメ ゲゲゲの鬼太郎まつり」

モノクロ時代の第1作目から、思いきりアニメ顔のキャラになった第5作目までの、全作品をデータベース的に楽しめる企画展。鬼太郎(および水木妖怪)というキャラクターがいかにして超時代的な地位を確立していくのか、そして時代によってどのように変化して…

行ってみたい美術展「ジョゼフ・コーネル×高橋睦郎 箱宇宙を讃えて」千葉県佐倉市・川村記念美術館

箱の美術作品と現代詩の競演。睦郎さんの詩は好きだしコーネルの作品も気になるのだが、会場がちと遠い……。朝日新聞夕刊にあった、コーネルの「無題(星ホテル)」という作品に付けられた詩を引用。 閉じ込められた太陽は 小さく 小さくなる テントウムシほ…

東京都写真美術館「森村泰昌 なにものかへのレクイエム --戦場の頂上の芸術」

歴史を大きく変えた芸術家や政治家に森村自身が扮し、それを撮影するという変わった手法。芸術家や政治家をパロディ化するだけでなく、その信念や生き方に共感したり反発したり、あるいは時代背景のまったく異なる現代にその思想を持ち込み価値の再確認や再…

横浜美術館「束芋--断面の世代」http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2009/exhibition/tabaimo/

吉田修一の代表作『悪人』の挿絵を担当したアーティストの個展。挿絵の展示のほかは、手書きのドローイングをコンピューターでアニメ化した作品をメインに据えたインスタレーションが中心。不安から生まれたのであろう、他者とのコミュニケーションをできる…

うちnekoパステル展 いいじませつこ個展

いいじまさん、初の個展。パステルを画材に柔らかなタッチで、自宅で飼われている2匹のチンチラ(かな?)の愛らしい姿を描いている。猫好きにはたまらない表情ばかりが並ぶ。2回、3回と個展がつづくことを祈っております。

東京都写真美術館「日本の新新作家展VOL8 出発--6人のアーティストによる旅」(2009/12/19〜2010/02/07)

参加した写真家は、尾中浩二・百瀬俊哉・石川直樹・百々武・さわひらき・内藤さゆり。写真芸術にはとにかく疎い身であるが、石川直樹の命を張って地球の果てまで行き誰にも撮れない、それでいて地球の営み、人の業、そういったもの、乱暴に括れば「真実」に…

ギャルリカプリス「猫三昧 -魅せられて-」

浜野生久 (染色絵画)、船橋つとむ(クレイワ−ク)、宮地乃梨子(ペーパーワーク)の三人展。三人とも独自の世界観を持っていて見応え十分。注目は船橋つとむさんのクレイアート。海洋堂から声がかかるのではないか、というくらい精巧な猫(とカッパやカエ…

東京国立近代美術館「河口龍夫展 言葉・時間・生命」

世界との関連性や世界の認識、解釈についてひたすら考えつづけ、それを表現しつづけるベテラン現代美術家の個展。インスタレーションが中心。「自分とは何か」「自分はこれを伝えたいんだ」「こんな世界は間違っている」といった芸術家によくある「おれがお…

ちひろ美術館コレクション展 ねこねこ大集合/ちひろ いのちの画集

http://www.chihiro.jp/tokyo/exb0904-2.html http://www.chihiro.jp/tokyo/exb0904-1.html 11月15日まで開催中。前者は世界各国の絵本作家が描く猫、あるいは猫のいるシーンの作品約50点が公開されている。おなじドウブツだというのにタッチは多様で、各作…